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40代は教育費や住宅ローンといった出費がかさむ世代。人生の三大出費にもう1つ「老後費用」があることを考えると計画的な家計管理が必要だが、その管理は夫婦で行ったほうがいいのだろうか。それとも妻に任せたほうがいいのだろうか。
収入は充分あるのにお金が貯まらない家計の特徴
40代は貯蓄をしていない。これは金融広報中央委委員会の調査によるもので、手取り収入からの貯蓄割合を調査したところ、「貯蓄をしなかった」と回答した40歳代の世帯は17.3%だった。これは60歳代、70歳以上の次に多い(「2017年 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」)。
なぜ思うようにお金が貯まらないのか。「専業主婦世帯」と「共働き世帯」に分けて、その原因をいくつか考えてみよう。
「専業主婦世帯」でよくあるのが、妻のお小遣いが生活費にまぎれて把握できないというケース。美容費やママ友との付き合いなど、妻が自分の為に使っているお金が生活費と一緒になっているため生活費が膨らみ、余剰金を貯蓄に回せなくなってしまう。
専業主婦世帯の場合は、夫が家計を妻任せにして干渉しないということも少なくない。妻が夫に相談したくても、仕事で疲れている夫に相談しにくいということもあるだろう。妻一人で解決できずに、回らない家計がしばらくそのままになってしまう。
「共働き世帯」の場合は、お互いに必要な金額を出し合い生活口座とするケースが増えており、その安心感から個人口座では浪費してしまうことがあるようだ。
また収入に余裕があるためか、教育費をかけ過ぎる傾向にある。子供の教育に関わる支出は、共働き世帯が専業主婦世帯を上回っている(総務省統計局2017年「家計調査報告」)。
専業主婦世帯、共働き世帯 それぞれがやるべきこと
お金が貯まらない原因を把握し、問題を解決する方法を考えてみよう。
「専業主婦世帯」の場合は、妻の必要経費を話し合い、お小遣いと生活費とを別にすることが良いだろう。自分専用という意識が、妻自身の貯蓄へのモチベーションにもなる。
どんなに忙しくても定期的に家計状況を確認し現状を共有することも必要だ。必要な貯蓄額を把握し、節約に関しては妻、運用でお金を育てるのは夫というように、それぞれの得意分野を活かした運用方法を決める事で、孤立しない家計管理につながる。
「共働き世帯」なら、共有口座を可視化しよう。長期的なライフプランをベースに目的別の貯蓄目標と方法を設定し直す。そのうえで、家計管理アプリなどを利用して状況を把握しやすい状態にしておくことだ。お互いのキャリアプランを話し合うことでそれぞれの目標に対する貯蓄のやる気をあげるのも有効である。
教育費をかけすぎているかもしれない共働き世帯は、子供の教育の方向性を家族で共有し教育費の棚卸しをしよう。子供の未来を親子で話すことは、かかる教育費を試算できるチャンスでもある。塾や習い事などはその必要性を吟味し、かけられる金額を明確に伝える事は子供の金銭感覚を養う上でも重要だ。
これらはあくまで一つのやり方であり、すべてを一人でこなす必要はない。夫婦それぞれに得手不得手があるだろう。まずはそれを把握して、情報を共有しながら、夫婦、家族で相談しながら進めるのが賢明である。
文・高村 浩子(ファイナンシャル・プランナー)/MONEY TIMES
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