NYダウ 26,430.57 ▼ 56.21
NASDAQ 7,738.02 △ 2.07
CME(シカゴ市場)日経平均先物終値 23,525 円 △ 55 円
NY為替 112.95 円 ▼ 0.76 円
日経平均 23,469.39 円 ▼ 314.33 円
米国市場
●特に材料のないなかで冴えない展開が続く
特に注目される経済指標の発表などもなく、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しの下方修正などを受けて冴えない展開が続きました。原油価格の上昇や投資判断の引き上げに加え、目先的な買い戻しなどもあってナスダック指数は小幅高となりましたが、ダウ平均は軟調となるなど買い気にも乏しい冴えない展開となりました。貿易摩擦問題や欧州での問題、金利上昇の影響などが懸念されて買えない状況が続いているということでしょう。
反発というほども戻らず上値の重い展開でした。貿易問題、金利上昇懸念、そして欧州の財政懸念や英国のEU(欧州連合)離脱問題と諸々問題山積ということで買えない状況となっています。決算発表が始まる前の持高調整の売り買いもあり、相場全体のとしては方向感に乏しい展開が続きそうです。
個別には投資判断の引き上げられたウォルマートが高く、原油高を受けてシェブロンやエクソンモービルが高く、アップルやマイクロソフトなども堅調でした。一方でJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が売られ、ダウデュポン、スリーエム、ボーイングやキャタピラーなども安くなりました。
本日の相場
昨日の日本市場は連休中の世界的な株安や円高を受けて売りが先行、大幅安となりました。節目と見られる23,500円水準では下げ渋るかと思われましたが、特に買い戻しを急ぐでもなく、最後まで方向感に乏しい中で売られ大きな下落となりました。
欧米市場が冴えない展開となり、為替も円高ということですが、夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物が堅調で本日の日本市場は買い先行となりそうです。為替がさらに円高に振れるとか、単純に上値の重さが気になると再度売り直されるということもあるのでしょうが、日経平均に影響の大きな銘柄に買い戻しを急ぐ動きが出ると堅調となるのでしょう。目先的な需給に振らされて方向感には乏しい展開になりそうです。
下値の節目と見られる23,500円~600円水準での「窓」を埋める形になりました。昨日の安値を下回るようであれば、いったんは23,000円を意識するようなところまで調整となるのでしょうし、昨日の高値を抜けてくるようであれば、再度24,000円を試すことになるのでしょう。いずれにしても23,500円を挟んで上値での保ち合いとなるか、下値での保ち合いとなるかということだと思います。
本日の注目点
8月の機械受注統計(内閣府、8:50)
10月のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センター、15:00ごろ)
3~8月期決算=ABCマート、安川電、イオン
東証マザーズ上場=CRGホールディングス
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演(2:00)
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演(10:15)
ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が記者会見(11:35)
9月の米卸売物価指数(PPI、21:30)
8月の米卸売在庫売上高(23:00)
エバンス米シカゴ連銀総裁が討議に参加(11日1:00)
ボスティック米アトランタ連銀総裁が討議に参加(11日6:00)
台湾市場が休場
銘柄ニュース
●下げ渋りとなるか
GSユアサ(6674) 2,604 ▼ 68
北海道北部の風力発電の蓄電池設備工事千代田化工建設(6366)から受注したと発表しました。風力発電用としては世界最大級の蓄電設備で、同社のリチウムイオン電池が風力発電に採用されるのは初めてということです。
ロート(4527) 3,845 ▼ 130
年内に発毛剤事業に参入する方針を明らかにしたと新聞で報じられました。発毛成分「ミノキシジル」が毛の根本部分だけでなく周辺組織の脂肪幹細胞にも働きかけることを発見したということです。
日立建(6305) 3,695 ▼ 75
欧州で12月にも情報通信技術(ICT)対応の建設機械の受注を始めると発表しました。建設現場でICT製品の普及が進む欧州で受注を目指すということです。
板硝子(5202) 1,255 △ 9
南米アルゼンチンでガラス工場を増設すると発表しました。同国で需要が伸びる見通しの建築・自動車向けに供給力を高め、近隣のパラグアイやウルグアイにも出荷するということです。
エディオン(2730) 1,220 ▼ 31
プライベートブランド(PB)の家電を発売すると発表しました。顧客から聞いたアイデアをもとに企画した商品などを発売するということです。
ヤマハ(7951) 5,420 ▼ 110
27年ぶりにアナログレコードを再生するターンテーブル2機種を発売すると新聞で報じられました。室内の複数のオーディオ機器の操作や機器間での連動ができる同社独自の無線通信機能などのついた機種もあるということです。
本日の銘柄
●本日の投資戦略
大きな下げとなりましたが、売り急ぐということでもない感じです。依然として空売りが多い銘柄も多、大きく売られると買い戻しも入るということなのでしょう。目先的な需給で振らされるのでしょうから、引き続き空売りが多い銘柄等が買い戻しでしっかりとした動きになるものと思います。
決算発表が始まるところですが、業績上振れ期待が高まっているという雰囲気でもありません。ただ、まだまだPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などから見ても割安感が強い銘柄等も多く、大きく下押したところからは買い戻しや買い直しの動きが出てくるのでしょう。半導体関連銘柄や自動車株などはまだまだ買い難いのでしょうから、相場全体としては上値の重い冴えない展開が続きそうです。
世界的に株式市場は冴えない展開となっており、決算発表などを見てからの動きになりそうです。引き続き売られ過ぎ感のある三菱商事(8058)などの商社株や明治HD(2269)などの食品株に加え、そろそろ村田製作所(6981)やパナソニック(6752)などの電機株にも注目です。
村田製作所(6981)は直近の安値水準まで下落となりました。遅行線が日々線と「天底一致」となる可能性もあり、底堅さが見られれば反発も期待されますが、まだ下値余地もあるという見方もできそうで、もう少し底堅さを確認したいところです。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。