株式市場は米国でもまだまだ落ち着かないようですが、日本では週末から落ち着き始めており、売られ過ぎ銘柄に底堅いものも見られ、落ち着いてくるのではないかと思います。

ここから決算発表が始まるのですが、昨年ほどではないにしろ、好調な決算も期待され、先行き不透明感から上方修正や強気な見方も少ないのかもしれませんが、相場も落ち着いてくるものと思われます。業績面から割安感が出ているものもあり、今回の商社株や銀行株の上昇で示されたように、割安銘柄の修正は行われることが多いのですから、こうした相場が悪いときにこそ、割安銘柄に注目するチャンスということなのだと思います。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

週が替わり、世界同時株安が止まるかどうかということになりそうです。今回の下落の要因となった米国金利の上昇は一服となっており、少しは落ち着いているものの、暴落の遠因となった芳しくない世界情勢、米国の保護主義政策や貿易問題、英国のEU(欧州連合)離脱やイタリア財政問題、そしてサウジアラビアを巡る問題やロシア、トルコ、イランなどの地政学リスク、などなど問題山積で大きく買い直されるには空売りの積み上がりなど需給要因が好転する必要がありそうです。

何一つ問題が解決されていないということで売り直される場面も出てきそうですし、日米の通商交渉への懸念、そして企業業績への影響の懸念などもあって「買えない」状況が続くと思います。ただ、逆に言えば好調な決算の発表が期待されるなかで売られ過ぎとなっているものも多いと思われ、売られ過ぎ銘柄などを中心に買い直されるものも出てきそうです。

売られ過ぎた銘柄に底堅さがみられるものとさらに大きく下落したものがあります。引き続き明治HD(2269)や森永乳業(2264)などの食品株や村田製作所(6981)など電子部品株の底堅さが確認できたものに注目です。また、コマツ(6301)やDMG森精機(6141)などの底堅さがみられる機械株、そして、大き売られた後にさらに売られたルネサスエレクトロニクス(6723)やファナック(6954)などの反発にも注目です。

ファナック(6954)は大きく下押して安値更新から切り返して来ており、戻りを試す動きが期待されます。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。