【ケーススタディ2】

生命保険の活用
(画像=PIXTA)

■ 事例(前回と同じ)

同族会社の100%オーナーのAには、長男B、次男Cがいます。Aは将来、長男のBに事業を引き継がせたいと思っていますが、Aの所有財産は会社株式(評価額2億円)の他は現金1,000万円のみです。

■ 対策(後編)

Cの遺留分が侵害されない方法として、株式の一部をCに相続させることも考えられます。

この場合にはCに会社の意思決定に参加する機会を事前になくしておくために、Cに相続させる株式を配当優先無議決権株式としておく等の方法が考えられます。

また平成21年税制改正において、非上場株式の評価額の80%に対する相続税の納税を猶予する制度が創設される予定であり、この制度により後継者の税負担は大幅に軽減されます。

ただしこの場合でも、この80%納税猶予制度は遺留分の計算に直接影響を与えるものではないため、この制度によって代償分割に必要な財産を準備するといった意味では、生命保険の有効性が損なわれるものではありません。

(提供:チェスターNEWS