呷哺呷哺餐飲(シャブシャブケータリング、00520、香港メインボード)は、ファーストフード化で拡大を続ける鍋料理の専門チェーンを展開している企業だ。

紆余曲折を経て本土で根強い人気がある「鍋料理」で大成功を収める

中国株,テンバガー
(画像=ZUU online)

中国本土では北京の羊肉鍋、四川、重慶の火鍋、貴州の酸湯魚(鍋)など、各地に特徴的な鍋料理があるが、これらはすべて、大きな鍋を複数の者が囲んで食べる。一方、同社の鍋料理は各自が自分用の鍋を使って食べるといった台湾式である。

鍋のタレは淡白なものから、唐辛子、山椒の入ったスパイシーなもの、トマトの酸味が効いた酸っぱいタイプのものなど、多彩である。肉は羊、牛肉が中心。凍らせた肉を薄く切ったものを日本のしゃぶしゃぶのようにして食べる。そのほか、具として、魚、イカなどの練り物、葉物野菜、キクラゲ、えのきだけ、凍り豆腐(ただし、解凍した状態)、牛の胃、血豆腐(豚、鴨などの血を固めて豆腐状態にしたもの)などがある。椀に入れて使うタレについても、羊肉に合う伝統的なゴマダレ、牛肉に合うしょうゆ系のタレから、キムチ味、カレー味など、いろいろなタレが用意されている。

同社の創業者である賀光啓会長は1963年生まれ。台湾桃園県出身である。父親は台湾で宝石商を営んでいたが、両岸の政策が緩和されたことで、1979年に商売の基盤を北京市、広東省に移した。一時は10店舗以上を展開、資産総額は5億元に達した時期もあった。

1990年以降、父に代わり商売を切り盛りするようになったが、1995年に欧米の大型宝石商が次々と大陸に進出、競争が激化した。1996年、わずか1年足らずで競争に敗れ、全資産を失う寸前まで追い込まれた。

この時点で宝石商から撤退、同社を設立した。本土で根強い人気のある鍋料理に注目、台湾式で、ファーストフード化された、低価格の鍋料理店を開発。これが大成功を収め、チェーン展開を続けている。

2011年以降の店舗推移、2014年以降の業績推移