投資の成功確率を高めたい方、必読のインタビュー。不動産投資で成功する方に共通点はあるのか。このテーマをリアルかつ客観的に語れる方として、数多くの不動産投資家を間近で見続けてきた野村不動産アーバンネット・資産コンサルティング部所属の宮澤大樹さんに聞きました。

不動産投資成功者は「不動産投資をビジネスとして捉えている」

宮澤大樹さん
(写真=野村不動産アーバンネット・資産コンサルティング部所属 宮澤大樹さん)

━━共通マインドを探るという本題に入る前に、宮澤さんのご経歴について少し伺います。長年、不動産投資のコンサルティングをされてきたなかで、具体的に何件の案件をご担当されてきたのでしょうか。

概算ですが、営業マン時代には150件ほど、マネージャーとなってからは400~500件ほどの案件にかかわってきました。担当するには至らなかったものの、何かのご縁でお話を伺ったり、セミナーを通じて交流したりした件数も加えると、大変多くの投資家や資産家と交流してきました。

お客様の属性でいうと、私の所属する「資産コンサルティング部」は、ビジネスパーソンや経営者、地主さんなどを顧客としています。

宮澤大樹さん

━━非常に多くのお客様と交流されていらっしゃいますね。そのなかで、不動産投資に成功している方に共通するマインドを感じたことはありますか。

端的にいえば、成功しているお客様は「不動産投資が好き」という共通のマインドをお持ちのように感じます。

お客様が不動産投資を始める理由としては、副収入や将来の収入源を確保したい、あるいは、保有している土地や不動産を有効活用したいなどの思いがあります。いってみれば、投資をして得られるリターンへの興味ですね。

そのため、結果的に不動産投資で成功される方は、「不動産投資の世界は面白そうだ、もしくは投資自体が楽しい」といった感覚を持っていらっしゃることが多いですね。こういう感覚を持っているからこそ、休日に気になる物件を見に行ってみたり、ネット上で情報収集をしたりするなど、ご自身でリサーチする姿勢が自然に生まれてくるんですね。

━━ある種の経営者感覚というか、自分自身で興味を持って動くことが大切なのですね。

そのとおりです。さきほどのお話は購入前に焦点を当てましたが、購入後で考えてみると、成功者の中には不動産の購入後、ご自身で物件の清掃をしたり、定期的なリペア(修理)について勉強されたりするなど、物件と積極的なかかわりを持とうと考える方が多いです。趣味の延長のような感覚で、ご自身の努力によってお金が生まれることに喜びを見出す方々……といった表現になるでしょうか。

━━他のタイプで成功される方もいらっしゃいますか。

もちろん、購入後に積極的に物件にかかわる方ばかりではなく、購入後は実務にあまりかかわれないというお客様の中にも、不動産投資で成功している方は大勢いらっしゃいます。このタイプのお客様は、購入前のリサーチをとくに重要視されます。立地、設備仕様やスペック、エリア動向など、投資用物件の条件を強く意識され、入念にリサーチしてから購入されています。

購入後、物件にかかわれる、かかわれないどちらにしても、興味を持って自発的に動くという傾向は共通です。逆に、余剰資金があるからとりあえず不動産投資でもするか、というお考えだと、運用自体は可能かもしれませんが、他の投資家以上の成功は難しいかもしれませんね。

不動産投資成功者は「物件に携わる関係者を、1つのチームとして捉えている」

宮澤大樹さん

━━そのほかに、不動産投資に直接関係はなくとも、成功者に共通している特徴はありますか。

間違いなくいえることがあります。それは、成功者は投資を行う自分のことだけを考えるのではなく、金融機関、賃借人、管理会社などとの関係を大事にしていることです。もっとわかりやすく表現しますと、ご自身の物件に携わる関係者を、1つのチームとして捉えているといえばよいでしょうか。この関係者全員との絆を大切にした結果、安定したリターンが得られるんだというマインドを多くの成功する投資家が持っていると感じます。

また、ご家族に対しても同様です。成功される方は、自分のために儲けたいというよりも「家族のために」という意識が強いですね。例えば、相続を見据えてどの物件をお子さんに残すかなど、先々のことまで考えています。これは引退を間近にされている方ばかりではなく、50代くらいから考えている方もいらっしゃいます。

宮澤大樹さん

━━結果的に、短期的な視点だけではなく、中・長期的な目線を持たれているということになりますね。

はい。そもそも不動産投資の成功とは、2つの結果があるといえます。

ひとつは、購入した不動産から安定した家賃収入を得られることです。そして、もうひとつは、購入した不動産を売却して十分な利益を得られることです。

プロセスは異なりますが、マインドという意味で言えば、双方とも共通点があります。どちらの成功者も、投資のスタート段階から目標を持ち、それを達成したらどう発展させていくかの長期的なビジョンを持っていらっしゃいます。例えば、所有物件を4~5棟まで増やしたい、そのために毎年どのように拡大させていけばいいかというような発想です。

一方、なんとなく「不動産投資って儲かりそうだな」と短絡的に考えてスタートしたお客様は、定めた目標のために、実際にどの程度の費用が必要で、その費用をいつ回収できるか、など、具体的なビジョンをお持ちではないこともあるんですよね。

不動産投資の場合、今使える手持ち資金に加えて、いくらのお金をどれくらいの期間・利率で借りればいいかの計算が必要となります。これと所有したい物件の数、規模などの具体的な要素を組み合わせてビジョンを構築します。

マインド、というよりも実践的なお話になってしまうかもしれませんが、こういった数年後の具体的なイメージというのは、成功者の方のみならず、すべての不動産投資を行う方が軸にすべきことだと思います。

今までつきあってきた中で印象に残る成功者

宮澤大樹さん

━━ありがとうございます。不動産投資で大事にすべきことがこのインタビューを通して見えてきました。今までおつきあいしてきたお客様の中で、印象に残っている成功者はいらっしゃいますか。

とくに印象に残っているのは、「不動産投資をする中で、一番偉い人は誰か」というお話をされたお客様です。その方いわく、1番目に偉いのは賃借人、2番目に偉いのはリーシング(賃貸募集)会社、3番目に偉いのは建物管理会社、次に偉いのは金融機関、最期に仲介業者とのことでした。

賃借人はキャッシュフローを生み出してくれる存在だから「一番大事」。その賃借人を連れてきてくれるリーシング会社は2番、借りてもらう部屋を管理してくれる管理会社は3番、お金を貸してくれる金融機関は4番なんだと。驚いたのは、ご自身はこのランキングにさえ入っていないんですね。

これは物件を「貸している」のではなく「借りていただいている」という意識がある証拠ですね。このような気持ちがあれば、例えば、賃借人から設備に不具合があるという連絡があった時にすぐにアクションを起こせます。その結果、賃借人の方が不動産オーナーに対して好印象を持ちます。そうなれば満足度が高くなり、空室リスクを抑えられるというわけです。

このような考え方が、成功する確率を大きく上げてくれるんだなと、そのお客様から学びました。

宮澤大樹さん

━━最後の質問となりますが、どのような人が不動産投資に向いているといえるでしょうか。

これまで解説してきたようなマインドを持っている、という前提で2つの要素があると考えます。

1つめは、「ご自身で決断できること」です。私たちはコンサルティングを通して、お客様が必要とする情報を提供していますが、不動産投資には100%の正解はありません。不動産会社が提供できるのは、参考情報でしかないんです。そのため、最後はお客様ご自身の決断になります。この決断ができるかは、その方が不動産投資に向いているかに大きく影響すると思います。

2つめは持論になってしまうんですが、「ちょっとした大胆さがあるか」です。例えば、投資額を少なめにして500万円のワンルームを購入したとします。そうすると、月の手残りは1万円に満たないこともあります。これでは、収入が増えた手応えがほとんどありません。

人生で私たちに与えられている時間は限られています。その時間の中で資産を増やすためには、ある程度大きな額の投資をした方がよい局面もあるかもしれません。投資額の小さい物件はリスクも少ないですが、劇的に資産を増やすことが難しいですね。

そのために、「ちょっとした大胆さ」を持って、よりよい物件を購入する。それが、不動産投資に向いている人の条件といえるかもしれません。もちろん成功者の方々は、その大胆さと同時に慎重さをあわせ持っていらっしゃることも、誤解がないよう最後に付け加えたいと思います。(提供:Wealth Lounge


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