資産家の間の相続税の節税対策として行われていたタワーマンション節税にいよいよメスが入る見通しとなってきました。
相続税を計算する上で、建物は「固定資産税評価額」で評価することになっていたところ、固定資産税評価はそもそもタワーマンションのような階数の高低によって評価額に違いは生じないことから、高層階を購入して相続税評価額との乖離を狙う資産家が近年増加していました。
下記の図を参考にしてください。
こうしたタワーマンション節税に対する批判や、また低層階に居住する人と高層階に居住する人の固定資産税負担が同じということで税の公平性を害するという声もあり、そういった声に対応する形でタワーマンション節税が規制されることになる見通しです(平成28年10月現在)。
「総務省が検討している新しい評価額の仕組みは、高層マンションの中間の階は現行制度と同じ評価額にする一方、中間階よりも高層の階では段階的に引き上げ、低層の階では段階的に引き下げる」ということです。
またいつからの施工か気になるところですが、現状の発表では、
「新しい税制の対象は18年以降に引き渡す新築物件に限定する。」
ということで、すでに購入された物件や中古建物には適用されない見通しですので、税制改正前の駆け込み需要や、逆に中古タワーマンション市場が賑わうことも予想されています。
いつの時代も節税対策は、納税者と国税庁のいたちごっこですが、やはり節税対策がはやり出すと国税庁が動くというのは同じパターンですので、必ずしも今の節税対策が将来も有効であるという認識を持たないことが大切なのかもしれませんね。
(提供:チェスターNEWS)