みなさん、こんにちは。
税理士の大塚です。

日本のサッカー界をけん引する日本代表の長友佑都選手が、僕のアモーレこと女優の平愛梨さんと来年の1月29日に入籍することを発表しました。 ということで、今回は結婚に関わる税金についてみていきたいと思います。

長友佑都選手ってどんな人?

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(画像=税理士法人トゥモローズ)

愛知県西条市出身で、現在はイタリアのセリエA・インテルに所属し、日本代表でも大活躍している長友選手です。身長は170㎝と小柄ながら、豊富な運動量とスピード、そしてフィジカルの強さで海外の大型選手とも互角以上の勝負ができるサイドバックです。
所属のインテルではチームメートやサポーターから愛されており、また、平愛梨さんとフライデーされたときにも『僕は女優の平愛梨さんと真剣にお付き合いしています。自分自身にとって大切な人。僕の“アモーレ”ですね。イタリア語で“愛する人”という意味』と誠実さとユニークさを披露し、その性格の良さは筆者としても好感がもてました。

婚約指輪、結婚指輪に贈与税は掛かるの?

ビックカップルの結婚といえば、よくワイドショーなどで注目されるのが、「婚約指輪」です。世界で活躍を続ける長友選手ですが、今年の7月にインテルと3年間の契約更新をし、その推定年俸なんと130万ユーロ(約1億6,000万円)。きっと素敵な指輪を贈られたのだと思います。
では、この「婚約指輪」どんなに高額であったとしても、贈与税は掛からないのでしょうか?

原則として、贈与税は、贈与を受けたすべての金銭や物などの財産に対して課せられます。
しかし、その「財産の性質や贈与の目的」などから、下記の様な一定の財産贈与については、贈与税が課されないこととなっています。

● 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から「生活費や教育費に充てるために取得した財産」で、通常必要と認められるもの
● 個人から受ける「香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品」で、社会通念上相当と認められるもの
● 直系尊属から一括贈与を受けた「結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすもの」として、贈与税の課税価格に算入されなかったもの など

結婚指輪の場合には、2つ目の「祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」に該当するものとして、基本的に非課税にあたります。
しかし、問題になってくるのがこの「社会通念上相当と認められるもの」という箇所です。この文章は税金に携わっているとよく見る文章なのですが、非常に厄介な言い回しになります。そもそも社会通念上相当額が明確に定められておらず、それを把握することが困難なためです。したがって、上述のとおり財産の性質や贈与の目的に応じて、個別に判断をしていく必要があります。
結婚指輪については、「芸能人などの場合には高額な結婚指輪である」という一般的な社会通念上の見解もあるので、その方の社会的な立場と年収などとを比べて、やり過ぎ感がなければ、筆者としては非課税として問題ないかと思います。

ちなみに、結婚式のとき御祝儀についても、同様の考え方で基本的には、非課税となります。

結納金には贈与税が掛かるの?

結納金は、一般的に結納の際に新郎家から新婦家へ送られる金銭ですが、その意味合いとしては「小袖料」「御帯料」といった着物代や反物代などの嫁入りの際の準備資金のことです(その昔は着物や反物を現物で送っていたようです)。この準備資金については、現代では生活資金などの結婚に際した全般の準備資金に充てるため使われることが多いようです。
ですので、結納金については、上述の1つ目、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から「生活費や教育費に充てるために取得した財産」で、通常必要と認められるもの」として、贈与税は非課税となります。

しかし、注意したいのが、結納金などの名目で贈与を受けた場合でも、それを預金などの貯蓄に回したり、株式や不動産などの購入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

結婚・子育て資金の一括贈与

平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に、一定の結婚・子育てのための資金を父母や祖父母などから20歳以上50歳未満の子が、金融機関などに一定の契約をして口座を作りそこに一括して贈与を受けた場合には、「結婚・子育て資金非課税申告書」を金融機関など経由で税務署へ提出することで、1,000万円まで(結婚費用は300万円まで)贈与税が非課税となります。
一定の結婚・子育てのための資金として、その範囲は内閣府のホームページに詳細が記載されています。
内閣府ホームページ

しかし、こちらの制度は、その資金をもらった子が50歳に達したときに、口座内に残高があると、その時点で残高に対して一括して贈与税が課せられてきますので注意が必要です。
また、その期間中にその資金を贈与した父母、祖父母がお亡くなりになった場合には、その残高は、お亡くなりになった父母、祖父母の相続財産として持ち戻されることになります。

そもそも、結婚に関する贈与については、上述までの2つの取り扱いで非課税とされるのであれば、わざわざ煩雑な手続きを行い、その後の一括贈与や相続税への持ち戻しがされるこの制度を利用する必要はないかと思います。
一方で、社会通念上相当額を超えてくるような贈与の場合や不妊治療の様な生活に通常必要とされるかグレーな取り扱いの場合であったり、その他に暦年の非課税枠110万円(贈与税には年間で110万円まで非課税となる控除枠があります)を使った贈与と明確に分けるためなどの場合には、この制度の活用も検討してみる価値はあるかもしれません。

まとめ

婚約指輪など高額な財産の贈与については、性質や贈与の目的に応じて、個別に判断をしていく必要があります。しかし、長友選手の世界で活躍するサッカー選手としての社会的な立場と年収などを考えると贈与税はかかってこないと考えられます。(提供:税理士法人トゥモローズ)