「将来安心して生活するために家を買う!」と決意したとき、一戸建てかマンションかは悩むところ。戸建ては生活音を気にせず暮らせるメリットがありますが、駅近物件が少なく価格が高いのがデメリット。それに対して、マンションは、駅から近いのに手ごろな値段の物件も多く、おひとり様にも手が出しやすい印象がありますね。「分譲マンションに老後まで住む」場合に知っておきたい6つのポイントをご紹介します。

1)買える上限の物件を選ばない

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(画像=PIXTA)

物件購入時に、マンションの営業マンや金融機関から「この金額まで住宅ローンが組めます。」といわれて上限ギリギリの物件から選ぶ人が多いのです。でも、払える「ローンの上限」ではなく、年収の20%以下が返済負担率になるように考えたいところ。

というのも、いつまで健康で仕事が続けられるかわかりませんし、おひとり様のローン返済は自分以外に払ってくれる人がいないから。物件探しは、金額的余裕をもって、余裕資金で繰り上げ返済ができるようにしましょう。

2)分譲マンションの住宅費を考慮する

分譲マンションを購入すると賃料はかかりませんが、毎月の管理費、修繕積立費などの住宅費がかかります。住宅ローンを組むときには、この金額もプラスして予算を組む必要があります。

特に修繕積立費は、築年数に左右されます。ある程度築年数が経っている物件であれば、ある年からいきなり2倍以上になるケースがあることを知っておきましょう。対応できるように余裕を持っておく方が安心です。

さらに、今まで賃貸物件だった人は、固定資産税・都市計画税に注意。賃貸物件ではかかりませんでしたが、購入後はこれらがかかることを考慮しましょう。

3)スタイリッシュ=住みやすいとは限らない

デザイナーズマンションなど、モダンでスタイリッシュな物件を「素敵!」と購入する前に、もう少し考えてください。あと20年ほどしたら、それなりの年齢となるアラフォーです。10年後には体もあちこち痛む箇所が出てくるかもしれません。老後を考えるなら、もともとバリアフリーになっている部屋を選んでおくと安心です。

4)階段必須な物件や高層階は避ける

自分の身体が思うように動かなくなったときのことを考えましょう。

例えば、エレベーターホールに行くまでに必ず階段を上る物件は、若くてもひざなどを痛めたときに上り下りが辛いものです。実は、私の今のマンションがこのタイプ。ひざを痛めたことがあったのですが、それはそれは辛かったです。

また、同じ理由で高層階も避けたほうが良いでしょう。景色など魅力的な物件も多くありますが、災害でエレベーターが使えなくなったときを考えれば、階段で上り下りできる階を選ぶ方が無難です。

都心や首都圏に多い坂の途中の物件も、老後に自宅マンションまで歩くのが苦になる場合があります。できれば「駅から平坦」を条件にした方が良いでしょう。老後のことは考えたくないかもしれませんが、ぜひ、物件選びのポイントとして覚えておいてださい。

5)マンションならではの人付き合いも考慮に入れる

マンションは、ご近所付き合いが無いといわれていますが、何かあったときに安心して暮らすためにも、部屋の両隣と上下の階にどんな人が住んでいるのかは確認しておきましょう。

また、管理組合の理事という役回りがあることも知っておいてください。「働いていて忙しいからできない」と考えるかもしれませんが、今は「働いているのが当たり前」の時代です。「仕事があるから」と言う断りは通用しないのです。

6)相続する実家があるなら賃貸の方がお得かも

将来的に実家に戻る予定はありませんか?親亡き後、実家に戻る予定がある場合、マンションを保有せず、賃貸でいた方が良い場合があります。

というのも、「小規模宅地等の特例」という相続税の軽減措置が利用できるかもしれないからです。この措置は、俗に「家なき子」といい、80%の減税が適用されます。「家なき子」を利用できる条件は以下の4つです。

・亡くなった人に配偶者や同居の親族がいない
・宅地を相続した人は、相続の3年前までに「自分または自分の配偶者」「3親等以内の親族」「特別な関係がある法人」の持ち家に住んだことがない
・相続した宅地を相続税の申告期限までに保有する
・相続開始時に住んでいる家屋を過去に所有していたことがない
すべてにあてはまれば、「家なき子」特例が利用できますので、相続する実家がある人はこちらも考慮しておいた方が良いでしょう。

将来の自分の姿も考えてマンション購入の検討を

老後の賃貸難民を避けたいがために、アラフォーからローンを組んでマンションや一軒家を購入する人も多くいます。ついつい今の自分の状況しか考えずに購入を決定しがちですが、後々の自分の身体のこと、環境の変化などを総合的に考え、後悔の無いようにマンションの購入を考えましょう。

文・矢澤理惠(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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