最近ではTVCMでも紹介されるようになったAGA(Androgenetic Alopecia、男性型脱毛症)。数年前まではただの薄毛と考えられていたものが、近年では病院で治療可能な症状の1つとして認識されるようになった。AGAの治療にはどのくらい費用がかかるのだろうか。

AGAを発症する人の割合

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(画像=Diego Cervo/Shutterstock.com)

日本皮膚科学会ガイドラインが公式に発表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」を見ると、日本人男性でAGAを発症する人の割合はおよそ3割とされている。

これを年齢別に見てみると以下のようになる。

・20代:約10%
・30代:約20%
・40代:約30%
・50代以上:約40%

AGAの発症率は、年齢が上がるにつれて高くなる傾向があることが分かる。40代では3人に1人がAGAを発症していることになる。

AGAの治療内容と保険

病院で治療できると言っても、AGAは保険適用外だ。なぜなら命に関わるものではないからだ。女性の美容整形と同類と言えば分かりやすいだろうか。

AGAの治療は大まかに以下の4つに分けられている。

・発毛治療
・服薬治療
・頭皮への塗布治療
・自毛植毛治療

治療はそれぞれで金額が異なる。

発毛治療の費用 注射は1回1~4万円

発毛治療に用いられるのは、ミノキシジル、アミノ酸、フィナステリド、プラセンタなどの発毛に有効とされている成分を混ぜ合わせた注射だ。これを頭皮に直接注入することで、発毛促進が期待できると言われている。

注射の相場は、1回あたり1万円~4万円ほど。受診する医療機関によって金額が異なるので、近隣の医療機関での費用について事前に調べておきたい。

服薬治療の費用

服薬治療で一般的に用いられているのが「プロペシア」だ。プロペシアの相場は、1ヵ月分で7,000円〜1万円。注射よりは安いが、これをさらに安くする方法がある。

それがジェネリック医薬品の利用だ。プロペシアにもジェネリックが存在する。フィンペシア、フィンカー、フィナロ、フィナバルドなどがそれに相当する。ジェネリックであれば、プロペシアの半分程度の費用で済む。

ただし、AGAの内服薬は専門のクリニックで処方してもらうほうが確実だ。皮膚科でもクリニックによっては処方してくれるが、取り扱っていないこともある。皮膚科を受診するなら、事前に治療科目にAGAがあるかチェックしておいたほうがいいだろう。

頭皮への塗布治療の費用 ミノキシジル配合の育毛剤が主流

頭皮に直接薬を塗る治療で用いられることが多いのが、「ミノキシジル」という成分だ。外用薬については、クリニックがオリジナルで処方している場合が多い。違いは、ミノキシジルの濃度だ。ミノキシジルは市販の育毛剤にも配合されているが、市販品と比較してクリニックの外用薬のほうが濃度が高いことが多い。

費用は市販品の相場が1ヵ月分で約7,000円程なのに対して、クリニックは1万円~1万5,000円ほどと少し高めだ。

自毛植毛治療 毛穴一つで1,000~2,000円

自毛植毛治療は、移植する毛穴1つ(1グラフト)あたりいくらという価格設定が行われているケースが多い。相場は、1グラフトあたり1,000円~2,000円。単純計算すると1,000本で100万円〜200万円の費用がかかることになる。

どのくらい移植すればいいかは、個々の薄毛の進行具合と理想の髪型によるため、施術機関とよく相談して決めたい。一般論で言えば、薄毛がある程度進行している人の場合、3,000本ほどの移植が必要と言われている。

3,000本だと、300万円〜600万円の費用がかかることになる。自毛植毛は自分の髪の毛を植毛するため、人工毛の植毛よりもメリットが多いとされているが、デメリットがないわけではない。そのため、治療に関してはしっかりとカウンセリングを受け、費用の見積もりをもらった上で決めるといいだろう。

自分にあった治療方法を検討する

AGAの治療費は、方法によってかなり差がある。植毛が手っ取り早そうに見えるが、費用を考えるとそう簡単には手が出ない。まずは注射、内服薬、外用薬などから治療を進めていくほうが費用を抑えられるだろう。

それでもダメなら、医師と相談の上自毛植毛への切り替えを検討してみるといいだろう。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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