富裕層はさまざま資産運用で希少価値を重視します。アート、ワイン、宝飾品……。希少価値のあるものは時が経っても価値を失いません。それどころか、年を経るごとに価値を高めることもあります。富裕層が希少価値を意識して投資するものには「不動産」もあります。彼らはどのような考えで、それらの物件を買っているのでしょうか。

不動産投資における希少価値とは?

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(画像=Beyond Time/Shutterstock.com)

はじめに、不動産(マンション)における希少価値とは何か、を整理していきます。「希少価値のあるもの」と言っても、ワインと不動産では価値の増え方が違います。ワインの場合は希少価値によって、価格を大きく高騰させる銘柄もあります。これに対して、希少価値のある不動産は購入時に近い価格をキープし続ける、あるいは元の価格から何割か上がるようなケースが一般的です。

このような希少価値の高い不動産に絞って投資をしている富裕層も少なくありません。それにより、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)をしっかり確保し、資産運用の効率を高めているのです。不動産投資には空室リスクもありますが、購入時と価値が変わらないようなマンションは入居者ニーズが高い立地にあるため、満室経営を実現しやすいと言えます。

このような付加価値のある不動産は国内外に存在します。日本では都心やインバウンドで好調な歴史のある観光地、海外では知名度の高いリゾート地や金融都市に集中しています。

不動産の希少価値を生むメインの要素は「立地」

とはいっても、都心の一等地にあるすべてのマンションに付加価値があるわけではありません。不動産の希少価値を生むメインの要素は「立地」です。一等地の中の超一等地だけが、希少価値のある不動産になり得ます。

立地にプラスして「建物自体の性能も希少価値の源泉ではないか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは参考程度の要素でしかありません。なぜなら、一等地に建つ建物のほとんどは、最新の利便性と安全性を備えているのが当たり前だからです。仮にその時点で他の不動産にはない高い性能を備えていても、ある程度の期間を経れば他の物件でも導入されてしまう可能性が高いのです。

デザイン性も希少価値においてサブの要素でしかありません。一般に広く名が知られている有名建築家がマンションを手がけるのは稀です。たとえ有名建築家を抜擢して個性的なデザインを追求したとしても、時代とともに輝きを失ってしまう可能性もあります。加えて、大手不動産会社ごとのブランド(マンションシリーズ)はプラス材料ですが、それ自体が希少価値を生むわけではありません。こちらもサブの要素と考えてよいでしょう。

一等地=希少価値の高い立地ではない

不動産の希少価値を生み出す立地を、よりリアルにイメージしてみましょう。一般的に挙げられる、マンションの理想的な立地条件としては、交通と生活の利便性、素晴らしいロケーション、安全な環境などです。さらに、古くから富裕層が住んでいるような歴史が加われば、さらに立地の魅力は高まります。

しかし、これらの条件を備えた立地が、そのまま希少価値の高い不動産になるわけではありません。一等地の中でも、新築物件がなかなか出てこないなどの理由で、ニーズが極端に高い立地だけが希少価値を生みます。

一等地にも関わらず、新規物件が出てこない理由はさまざまでしょう。開発規制がある、あるいは、すでにオフィスビルが林立していてマンション用地を確保しにくいなどの理由が考えられます。

このような希少価値の高い不動産は、一般の物件広告に出る前に押さえられてしまうことがほとんどです。希少価値のある不動産を購入するには、日頃から不動産会社のコンサルタントと交流を欠かさず、物件が出てきた時に優先して情報提供が受けられる関係づくりが必須になります。(提供=JPRIME

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