2018年12月20日(木)Market TalkのSummary

・パウエルFRB議長が経済の「軟化」を示唆したことで目先、厳しくなるのではないでしょうか?それとも、ここが底でしょうか?

ここが底ではないか。「経済の軟化」というのは、米国は3%を超える成長が続いてきたのでさすがに減速するよね、といった話だと思う。今後減税の効果が徐々に落ちてくる、利上げも9回やってきているわけだからこれで経済が軟化しなかったらその方が問題だろう、ということではないか。

・ソフトバンク株が公開価格を大幅に下回ったり、FOMCの結果発表で米国株が大幅に下がるなど、市場が温まりません。米中貿易戦争やブレグジットもあり、当面、株価の上値は重いですか?

ここまで冷え込むと時間はかかるだろうがじわじわと温まってくるだろう。当面株価の上値は重いとしても、年が明ければ改元や景気拡大期間が戦後最長となるなどムードも変わってくるのではないか。

・米国株下落、日本株上昇と言う展開は有り得ますか?

今日本株は米国株にリンクしているが、基本的には企業の業績、企業価値を反映して株価は決まる。またアメリカは金利の環境が全然違う。今まで日本株は全然上がらないのに米国株はどんどん上がっていったことを考えると、逆に米国株が下落、日本株が上昇する展開も有り得るのではないか。

・来年は円高になり、日経平均が20,000円を割り込むと言う話がありましたが、広木さんの見方は?

米利上げが減るから円高、ということだろうが、一方日本の金利はゼロで、しかも利上げが減るといっても短期金利は上がるわけだから円高にはならないのではないか。日経平均は20,000円を割り込むことがあったとしてもすぐに戻るだろう。

・買い戻されるきっかけや反転の時期は?

ファンダメンタルズは悪くないんだというのを皆がもっと確信することだろう。年が明ければ戦後最長の景気拡大となる。1月下旬から3四半期分の決算発表が始まるが、景気がこれだけしっかりしていることから業績は悪化していないだろう。夏場の7-9月の落ち込み分は中間決算で出ているから、10-12月の戻り分が出てくるのではないか。このように景気、企業業績の数値データが1月に出てくるので(反転は)そこからではないか。

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広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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