フェイスブック (NASDAQ:FB)を取り巻くネガティブなニュースは絶え間なく続く。先週金曜日の同社の発表で、ソフトウェアのバグによって最大で680万のユーザーの写真が開発者によって閲覧できてしまう状態になっていたことが明らかになった。

フェイスブックは過去12ヶ月間で悪材料を積み上げてきた。ケンブリッジアナリティカ問題から、暴力を誘発または激化する虚偽情報、相次ぐフェイスブックの役員の辞任など、そのどれもがソーシャルメディアの安全を脅かし、同社の信頼を下げ続けてきた。

chart
(画像=Investing.com)

過去2年間で立て続く悪いニュースは、同社の株を回復から遠ざけている。2018年のテクノロジー株は全て打撃を受けているが、フェイスブックはFAANG株の中でも最悪の銘柄になろうとしている。フェイスブックの昨日の終値は143.66ドルであり、年初より21%の下落である。また52週間の高値からは34%の下落となっている。

このフェイスブック株の不振は、マーク・ザッカーバーグCEOのリーダーシップや、経営能力への不信感を表している。また、米国政府によるさらに厳しい規制の可能性も予想されている。この規制によって、ビジネスモデルを変えなければいけない可能性が大いにある。

2019年に良い方向へ転換する可能性は低い

我々の考えでは、今後2四半期はフェイスブックにとってとても重要な期間になる。同社は投資家へ2018年に起こった不祥事はすべて対処したことを示す必要がある。同社は基本的には競合他社を出し抜く財務能力を十分備えている。

マーク・ザッカーバーグ氏はいかにはやく投資家から信頼を回復し、今後このような悪いニュースがないことを示す必要がある。これらの不明瞭な状態は、同社の収益以上に株価にダメージを与えていると考えられる。

今月はじめの記事でも書いたように、フェイスブックのライバルのツイッター(NYSE:TWTR)は透明性レポートを公開しており、ソーシャルメディアの安全の確保に進展を見せている。これによって、成長株の不明瞭な見通しの中でも、投資家からの信頼回復に成功している。

しかし、フェイスブックを取り巻く悪材料が全て解消されれば、フェイスブックの回復が見込まれ、更に成長していくと考えている。フェイスブックはインスタグラム、WhatsAppをなどのサービスを抱える世界で一番人気のあるソーシャルメディア企業であることを忘れてはならない。だが、2019年に株価を上昇させることがとても厳しいのには変わりがない。

米国政府による規制に合わせるためにフェイスブックが莫大な支出を迫られているなかで、政治家、ユーザー、投資家は以前のような上昇を期待してはいない。フェイスブックは米国、欧州、カナダから主に収益を上げているが、2019年においてこれらの国々でユーザーの成長は厳しいと考えられる。欧州では、EU一般データ保護規則の適用が始まり、同社の成長を脅かしている。一方で、米国とカナダでのフェイスブックとMessengerのデイリーユーザー数は停滞している。

ユーザー成長が頭打ちしている中で、フェイスブックは投資家に対して、WhatsAppのプライベートメッセージや、フェイスブックのウェブビデオ、インスタグラムのストーリーの広告などの新しいビジネスからの収益には時間がかかることを忠告している。

要点

政府の規制による驚異や、個人情報流出するような脆弱性、世界経済の停滞の可能性が、フェイスブック株が回復できるかに関わる3つのリスクである。これらの要因によって、短期的には下押し圧力がかかり、株価の回復を遅らせることになるだろう。このような厳しい環境の中で、2019年のフェイスブック株は非常に影響を受けやすい状況下にある。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル