中古区分マンション/老後資金や副収入に

まず、中古の区分マンションは、他よりも購入価格が安いのがメリットです。

また、立地が良いものが多いので、管理会社に任せておくだけでも入居者が決まりやすい。

不動産投資は、「投資」とは言うものの、実際には「貸家業」という「事業」だと考えるべきです。管理に労力をかけるほど入居者が決まりやすく、利益が上がるようになります。ただし、区分マンションについては、その労力が必要ないのです。

一方、デメリットは、得られる利益が少ないこと。家賃からローンの返済や管理費などを引くと、手元に残るのが月1万~2万円というケースが多いでしょう。

「年金の他に老後資金を準備したい」、あるいは、「本業をしながら副収入もほしい」というスタンスの人には、区分マンションを数戸持つのが適しています。

しかし、家賃収入月100万円を目指そうというような人には、区分マンションは向いていません。

区分マンションは銀行の評価額が低いので、所有している不動産を担保にして借入額を増やし、さらに所有物件を増やす、という手法が使えないからです。

中古アパート/努力次第で高利回りに

区分マンションよりも高い利回りを取りたい。けれども、投資できる金額は限られている、という場合は、中古アパートを買うのがいいでしょう。私も、初めて買った物件は、1,980万円の築16年のアパートでした。

購入価格は数千万円のものが多いですが、今は低金利なので、4,000万円を20年ローンで借りても、月の返済額は約20万円です。

ただし、区分マンションと違って、黙っていても入居者が決まるというわけにはいきません。

インターホンやキッチンの蛇口などを新しいタイプのものに交換する。和室を洋室に変える。建物の名前を格好の良いものに変える、というように手を加えて、物件の価値を自分で高める必要があります。

こうした「経営努力」に加えて、入居者をすぐに見つけてくれる管理会社を選び、良好な関係を築くことも重要です。

管理会社にも、つきあいたいお客と、それほどでもないお客がいます。

どんなお客とつきあいたいか、ご自身の仕事で考えてみてください。大口のお客はもちろんですが、そうでなくても、連絡がすぐについたり、判断のスピードが速かったりすれば、つきあいやすいでしょう。

管理会社も同じです。修繕費が必要になったりトラブルが生じたりしたときに、連絡をすれば、すぐに対応してくれるお客の物件のほうが、入居者をつけたくなるものです。

もちろん、熱心さや人柄も関係してきます。

管理会社と話をするときは、「この『貸家業』のリーダーは自分だ」という気持ちで振る舞うべきだと、私は思っています。空室を出さないという、同じ目標に向かって進むチームの一員だと思ってもらうことが大切だからです。

よく「地域平均の空室率」を気にする人がいますが、空室になるかどうかは、こうした労力をかけるかどうかによるのであって、地域平均など関係ありません。

実際、私が持っている物件の中には、地方の田んぼに囲まれたアパートもありますが、そんな条件でも、空室率が10%を超えることはありません。

このように、努力次第で高い利回りを狙える中古アパートですが、デメリットは、RCに比べて銀行の評価額が低いこと。担保にしても、あまり大きな金額は借りられません。アパートだけでは、規模の拡大に限界があります。