新築アパート/「不動産経営」の練習にも

ここまで読んで、「そんなに労力はかけられない」と思った人もいるでしょう。

私の感覚では、本業の10分の1の労力をかければ、本業と同じくらい稼げるのが、不動産投資です。とはいえ、「事業を経営する」という覚悟を持って取り組まなければなりませんから、簡単ではありません。初心者だとキャパオーバーすることもあります。

ですから、初心者は新築アパートを購入するのもいいと思います。中古アパートよりも入居者がつきやすいので、かかる手間が少なくて済みます。

アパートは分譲するものではなく、そもそも賃貸のために建てるので、新築でもきちんと利回りが取れるように計算されています。

ただし、新築ということは、想定している家賃で実際に入居者が決まった実績はまだないわけですから、その想定が妥当なものか、慎重に検討しなければなりません。悪質な業者が紙の上で数字をいじって、高い利回りが出るように見せかけた「ジャンク新築」の可能性もあります。

さらに悪質だと、利回りを高くするために、手抜き工事で建設費を下げ、販売価格を安くしているケースさえあります。

では、ジャンク新築をつかまされないためには、どうすればいいのか。

それは、建てた会社の過去の実績を調べるしかありません。物件選びというよりも、「会社選び」になります。

中古RC/大規模化するには不可欠

大規模に不動産投資をしたいなら、ある程度の資金ができたところで、銀行の評価額が高いRCの物件を持ち、それを担保に借入れをして、また物件を買う……ということを繰り返す必要があります。

中古RCの経営の仕方は、中古アパートと同じです。ただし、維持コストが高いというデメリットがあります。

特に給排水設備は要注意です。建物よりも早く老朽化しますから、水漏れが生じる恐れがあります。

木造だと、水漏れが起きても簡単に修繕できますが、RCだと大規模な工事になり、費用も多くかかります。

無理をして中古RCを買った途端、水漏れが発生して、修繕費が払えず、売却せざるを得なくなった、というケースもあります。

また、固定資産税が高いのも、RCのデメリットです。