自分の強みを活かせそうな会社や、あるいは前々から気になっていた企業が、中途採用の募集をしているのを見ると、思い切ってチャレンジしてみようと思う人は多いと思います。しかし、もしそれが「契約社員」での採用なら、不安を感じる人もいるのではないでしょうか。そもそも契約社員とはどういう社員なのか、またそのメリットは何なのかをご紹介します。

労働条件は交渉で決まる

契約社員,メリット
(画像=KaptureHouse/Shutterstock.com)

「正社員」や「契約社員」という言葉は、実は法律でこういう社員のことと決まっているものではないので、会社によって扱いはさまざまです。なので、募集が契約社員の場合、その契約内容はよく確認しておきましょう。

基本的には、契約社員の働き方や勤務場所、仕事の内容などの労働条件は、会社との話し合いによって決まります。

また、交通費や社会手当などは会社によっても異なりますが、一般的には正社員と同じように受けることができます。

ただし、退職金は出ないことが多く、またボーナスも少ないか、支給されないところが多いようです。

契約社員の3つのメリット

働き方を選ぶことができる

契約社員の方の労働条件は、会社との話し合いで決まります。よって、自分のライフスタイルに沿った条件を自分で選びやすいと言えます。

例えば、残業をしないという働き方であったり、転勤がない契約であったり、作業内容によっては週に何日かは自宅で働きたいといった希望を伝えることもできるでしょう。

スキルが給与にダイレクトに反映する

弁護士や公認会計士などの高難易度の資格や、ITや語学などのスキルを活かしたいと考える人も多いと思います。こういった専門的な知識があれば、他の社員よりも高い水準の給与を得ることも可能になりますし、実務経験を積むことによってさらに専門性を深めることもできるでしょう。

有期雇用はライフプランが明確な人におすすめ

契約社員が正社員ともっとも違うのは、雇用が有期雇用であることです。3ヵ月から1年程度が一般的で、公認会計士や弁護士などの専門的知識を持っている人以外は、最長でも3年と決められています。

この最長3年間という有期雇用のため、契約社員は不安定だと思われがちです。

確かに、契約期間が終わった後、契約を更新してもらえなかったり、次の勤務先が決まらなかったりなどの不安はあります。

しかし、契約期間中であれば、よほどのことがないかぎり解雇はしてはいけないと労働契約法で決まっているので、世間で思われているような「いつクビになるかわからない」ということはありません。

契約期間が終われば、基本的には他の会社を探すことになりますが、逆に言えば、「この会社で1年間働いて実務経験とキャリアを積んで、次の会社に活かしたい」といったキャリアアップのためや、「3年間働いてお金を貯め、専門学校に行きたい」といった資金作りのためといった、ライフプランが明確な人にはおすすめな雇用形態と言えます。

無期労働契約になっても老後の備えは慎重に

なお、2013年に新たな労働契約法が施行され、2018年4月から「無期転換ルール」と呼ばれる制度が始まっています。

これは、契約社員(およびパートタイマー、アルバイトなど)の有期労働契約が更新されて通算5年を超えた時は、労働者が申し込めば、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

つまり、これまでは契約期間が終わるごとに会社を去るか契約を更新するか話し合わなければなりませんでしたが、無期労働契約になれば雇用が安定し、安心して働き続けることができます。

ただし、気をつけなければいけないのは、無期労働契約になっても、労働条件は別に規定がない場合、有期契約の時のものが引き継がれることです。

つまり、依然としてボーナスや退職金などが正社員と比べ低いままということもありえます。住宅ローンを組む場合や老後の資金を蓄える場合、この違いは大きな差になります。

契約社員は自分にとってどういうキャリアとして利用すべきか、より慎重に考える必要があります。

いろいろな働き方のメリットをうまくキャリアに取り入れましょう

不安定なイメージがある契約社員ですが、明確なライフプランがあったり、スキルアップを目指す人にとってはメリットもある働き方にもなり得ることをご紹介しました。人生100年時代とも言われ、今後一生のうちで複数の会社、複数の職業を経験する人も増えてくるのではないでしょうか。その時に、今回紹介した契約社員という働き方のメリットも、キャリアの一部として検討してみてください。

文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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