国民年金に加入するときに交付された年金手帳。普段は使う機会がほとんどありませんが、会社の入社・退社、結婚・離婚に伴う住所や氏名変更など、人生の重要な場面で必要になるものです。年金の支払い履歴の確認ができる「ねんきんネット」利用時にも、年金手帳に記載されている基礎年金番号が必要です。

いざというときに、ないと不便な年金手帳。もし紛失したときは再発行が可能です。再発行の手続きについて、確認しておきましょう。

年金手帳の再発行手続きは3種類から選べる

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(画像=PIXTA)

年金手帳は、被保険者本人が「年金手帳再交付申請書」を提出することで再発行してもらえます。再発行の手続きは、電子申請、郵送、窓口持参の3種類。

再発行申請書の提出先は加入する年金の制度によって異なり、住所地の市区町村役場、勤務する事業所、勤務する事業所の所在地を管轄する年金事務所、被保険者であった最後の事業所あるいは住所地を管轄する年金事務所などがあります。3種類の再発行手続きについて、簡単に紹介しますね。

1. 電子申請手続き

電子申請(e-Gov)は、自宅のパソコンからオンラインで再発行の申請を行えます。窓口に行く時間が取れない人には便利ですね。利用にはパソコンの環境設定が必要になりますので、自分が利用できるかどうか、e-Govサイトで確認してみましょう。

2. 郵送手続き

郵送手続きは、日本年金機構のサイトから「年金手帳再交付申請書」をダウンロードし、必要事項を記入します。郵送先は、基本的には最寄りの事務センターです。国民年金第1号被保険者または、任意加入被保険者の場合は、住んでいる地域の市区町村役場になります。郵送時の封筒には、送付先事務センター名と郵便番号を記入するだけで届きますよ。

3. 窓口の手続き

年金事務所の窓口で再発行申請手続きをすると、年金手帳を即日再発行してもらうことができます。ただし、即日発行できるのは本人、あるいは一定の条件を満たす代理人による申し出に限られています。

代理人として認められているのは、事業主・事業主の代理となる事務員のほか、社会保険労務士・社会保険労務士の代理となる人、法定代理人です。会社に手続きをしてもらう場合は、事業主の代理となる事務員(多くの会社では総務の人)が、手続きをしてくれます。

窓口で即日発行しない限り、年金手帳は郵送で再発行

再発行された年金手帳は、原則として郵送で届きます。自分で手続きをした場合は、日本年金機構で管理されている住所に、事業所を経由して手続きをした場合は事業所に届けられます。

郵送で届くため、再発行までにかかる期間は、早くて数日もしくは1ヵ月程度と考えておいたほうがいいでしょう。就職して会社に提出するなどの時間がない場合は、年金事務所の窓口で即日交付が可能なので、そちらを利用したほうが無難です。

ただし、即日交付は、緊急性があること、本人が出向くこと、運転免許証などの本人確認書類を持参することが条件となっています。

年金手帳再発行のための必要書類

年金手帳の再発行手続きに必要な書類は、手続き方法によって異なります。どの手続きでも必要なのは、「年金手帳再交付申請書」とマイナンバーの記載。申請書は、日本年金機構のサイトからダウンロードが可能ですし、年金事務所や市区町村役場で入手することもできます。会社の総務部にストックがある場合もあるので、会社経由で手続きを行う場合は聞いてみるといいでしょう。

電子申請(e-Gov)の場合は、申請書のほかに、本人確認のための電子証明書が必要です。郵送の場合は、添付書類は特に必要ありません。記入例は日本年金機構サイトで確認できるので、迷った場合は参考にしましょう。

窓口で即日発行してもらいたい場合は、申請者が本人であることが確認できる身分証明書を忘れないようにしましょう。本人確認ができる主な書類は、個人番号カード(顔写真つき)、運転免許証、パスポートなどがあります。健康保険証を身分証明書にする場合は、金融機関の預金通帳なども必要です。

法定代理人に申請してもらう場合は、戸籍謄本、法定代理人の本人確認ができる書類、日本年金機構が送付した基礎年金番号がわかる書類が必要になります。

郵送で再発行する場合は?最寄りの事務センターの調べ方

郵送で再発行手続きをする場合は、申請書を事務センターに郵送します。最寄りの事務センターは、日本年金機構のサイトで調べられますよ。パソコンまたはスマートフォンの検索画面で「日本年金機構 事務センター」と入力すれば、すぐに見つかります。

年金手帳の紛失に気づいたらすぐに再発行しよう

年金手帳は、普段使わないので存在を忘れがちですが、人生の節目に必ず登場する大切なもの。年金手帳の紛失に気づいたら、すぐに再発行の手続きをしておきましょう。再発行に手数料はかかりません。もちろん、氏名や住所が変わったら、すみやかに変更の手続きをしておくことも忘れずに。誕生月には、日本年金機構から「ねんきん定期便」が届きます。未納月の確認と一緒に、手帳の確認もしておきたいですね。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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