「お金のデザイン」という会社をご存じですか?お金のデザインは、自動運用サービス「THEO(テオ)」を提供するフィンテック系の会社です。2016年から同サービスの提供をスタートしており、ロボアドバイザーの先駆的な存在といえるでしょう。サービス名の由来は、画家ゴッホを金銭的に支援した弟テオドールからきているそうです。投資初心者にも人気のサービスということですが、いったいどのようなものなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
お金のデザインってどんな会社?
外資金融出身の谷家氏が創業したベンチャー企業
お金のデザインを創業したのは谷家衛氏です。東京大学法学部卒業後に外資系金融機関のソロモン・ブラザーズに入社しました。その後独立し、「あすかアセット」や「ライフネット生命保険」を立ち上げ、2013年にはお金のデザインを創業しました。
直近では赤字
ベンチャー企業は投資が先行するため赤字になることが多いですが、お金のデザインもまた直近3年は赤字となっています。売り上げは1億円に乗るなど順調に伸びていますが、テレビCMなどの販売費が負担となっているようです。
東海東京フィナンシャルHDなど、大手企業からの出資
業績は不安定ですが大企業からの出資が続き、財務の安定化に寄与しています。以前からNTTドコモや丸井グループが大株主に名を連ねていますが、2018年には東海東京フィナンシャル・ホールディングスから50億円の出資を受けました。
独立路線からは外れますが、財務的には安定する要因となります。また、これらの大企業がお金のデザインの窓口となれば顧客も増え、業績にもプラスになることが期待できそうです。
THEOの特徴
ここからお金のデザインが提供するサービス「THEO」の特徴について簡単にご紹介します。
ロボアドでおまかせ資産配分!
THEOの特徴は、やはり運用の大部分がおまかせできるという点です。THEOでは簡単なアンケートに答えれば、自動的に運用資産の比率を決定してくれる「ロボアドバイザー(ロボアド)」を採用しています。
さらにAIを活用した運用
ロボアドだけだと、資産全体のリスク度合いは最初のアンケートで決定された方針に従うのみで、運用開始後に株価が急落するような荒れ相場となっても、リスクを下げるような調整は行いません。
「THEO AIアシスト」は、相場が急落すると予測したときは、自動的にリスク度合いを下げてくれます。AIを導入することによって、より私たちがイメージする自動運用に近づいたといえるでしょう。
1万円から利用できる
THEOは1万円から利用することができます。今まで資産運用をしたことがない方でも「お試し」として気軽に利用できそうですね。
よりサービス充実の「THEO+(テオプラス)」
お金のデザインはメインサービスの「THEO」の他に、業務提携している企業と一緒に提供する「THEO+」というサービスがあります。運用はTHEOと同様ですが、提携先の企業独自のサービスが別途受けられます。THEOを利用するなら、これらのサービスも一緒に受けたいですね。
THEOの投資先
THEOでは世界各国のETFで運用を行い、資産・投資地域・時間の分散投資を行います。
ETFとは投資信託の一種で、運用コストが低いという特徴があります。それらのETFを組み合わせ、リスク度合いに応じた資産配分を決定します。
デメリットはないの?
運用コストがかかる
THEOを利用すると、資産に対し1%(税別)の手数料がかかります。先述したETFを直接買えば、より安いコストで済みます。自分で資産配分の決定を行うことができるなら、コスト面では不利といえるでしょう。
少額だとTHEOの理論通りの運用とならない可能性がある
THEOの投資対象はETFですが、ETFは整数単位の売買であり、あまりに少額だとTHEOの理想通りの資産配分とならない可能性があります。できるだけ理想ポートフォリオに近くなるよう運用を行いますが、一応留意していた方がよいでしょう。
出金に制限がある
THEOから出金したい場合は1万円単位となります。また、残高が10万円を下回るような出金の場合は口座解約となり、全額出金となります。
元本割れのリスクがある
おまかせ運用といってもリスク資産に投資をするので、やはり元本保証ではないという点には気をつけましょう。
お金のデザインが経営破綻したらどうなるの?
大企業からの出資が続くお金のデザインですが、仮に経営破綻した場合、預けているお金はどうなるのでしょうか?
破綻しても大丈夫!お金のデザインの資本とは分別管理!
THEOに預けているお金はあくまで顧客のお金で、お金のデザイン社の経営資本とは分けて管理されます。つまり、仮にお金のデザインが破綻して大きな負債を抱えても、その返済に顧客のお金が使われることはありません。
さらに「投資者保護基金」からの補償も!
もしも経営不振などで、顧客のお金を返却できない事態に陥った場合は、投資者保護基金から1,000万円までの補償が受けられます。無論、お金のデザインが破綻しない方がよいですが、万が一のときには補償が受けられるので安心ですね。
THEOの良い点も悪い点も理解し、利用しましょう!
THEOのような自動運用サービスは、投資未経験者や忙しい方でもプロと同様の資産運用ができる最新のツールです。注意点もいくつかありますが、選択肢の1つにしてみてはいかがでしょうか。
文・若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle
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