2019年1月10日(木)Market TalkのSummary
・2018年相場の振り返り、今後の展望
平成相場は超楽観 ‐ バブルのピークで始まり、平成最後の大納会はやっと2万円、史上最高値の約半分という超悲観で引けた。また、平成最後の2018年も楽観で始まり、悲観で引けた。今年は昨年の逆となる悲観にふりきったところの揺り戻しということでいえば、年初の暴落はあまり気にする必要はないのではないか。すなわち昨年の反転相場で、昨年ネガティブだったことが今年のポジティブになる。昨年来た道の反対をたどっていくだろう。昨年の株安の要因として、米中の対立、FRB利上げ、世界の景気減速懸念が挙げられるが、マーケットを揺らしたこれらの悪材料が今年は逆に後退していくであろうし、去年ほどのインパクトをもたないであろう。
・円高が会社発表の業績予想に悪影響を及ぼす恐れはありますか?
為替については、最近はドラスティックな動きはないし、そもそも日本の企業において為替の影響はだいぶ軽減されてきているので、円高が業績に影響を及ぼすということはないだろう。
・日経平均が21,000円を超えるのはいつ頃か?
今月中にはマーケットも落ち着いてきて21,000円を超えてくるのではないか。
・昨年は、トランプによる、成功すれば自分の手柄、失敗すれば他人のせいという政策に、世界中が翻弄されましたが、これらのことを踏まえて、今年のトランプ政策は、どのような展開をたどるとお考えですか?
今年は大統領選の前年であり、大統領選の前年というのは米国株は強い(前回の2015年だけは下げたが)。なので当然株価を下げるような言動は慎んでいくと思う。すでに米中通商に対するコメントに(その姿勢が)表れている。ただ、メキシコの壁問題については、これはある意味公約なので引くに引けないが、対中国の方でバランスをとったりしながら、過激さを封印した、マーケットフレンドリーな恰好の大衆迎合的な言動になっていくだろう。一番怖いのは弾劾の可能性が出てくること。また弾劾までいかなくても下院がトランプを公聴会に引っ張り、尋問等の過程で想定外の証言などが出た場合の混乱。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
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