前半もみ合い、後半に期待

★新たなプラス材料が出てくるまでは、乱高下しつつお休みモード

図表1
(画像=松井証券)

2019年の株価は波乱の幕開けとなったようだ。

日経平均は、昨年12月に米国株価に歩調を合わせるように下落し続けたものの、一旦は踏み止まる雰囲気で引けた。しかし、 NYダウがアップルの下方修正をキッカケに急落して大幅下落のスタートとなった。為替も一時1ドル104円台となるなど、円高に振れている。その後、NYダウは4日夜に米雇用統計とFRB議長の発言をポジティブと捉えて、大きく回復するなど、引き続き落ち着かない展開が続きそうだ。

【メインシナリオ】

19年前半の株価は厳しい展開となるだろう。今まで以上に、米国・中国の景気や、通商摩擦関連の政治的発言に敏感に反応し、乱高下しながらも、結果的にじり貧の展開を予想する。ポイント欄で指摘した、米中両国の景気減速、米中通商摩擦、欧米金融緩和の縮小、地政学リスクの未解決は、そのほとんどがかなり前から認識されているはずの項目で、新たな材料ではない。しかし、何も変わっていないこと、中国関連を中心に経済減速を示す統計データが出始めていること、新たなプラス材料が見当たらないこと、を考えると当面の株価上昇は期待しにくい。

【もしかしたら】

政治も経済も企業業績も、1年以上、何も変化が無いということはないだろう。19年後半になると新たなプラス材料が出てきて、評価が上がる業種・個別銘柄が出てくる可能性があると思う。可能性のあるテーマは次の通り。

・中国政府が景気テコ入れのための財政出動 →中国関連銘柄
・中国/スマホ以外の需要により半導体、電子部品、工作機械などの増収が続き、株価も再評価される
・10月の消費税引き上げ前の駆け込み需要 →車、住宅、家電など耐久消費財
 (導入後の反動減があっても、消費実績が上がれば市場心理は好転しやすい)
・10月ラグビーW杯 →20年東京五輪関連の盛り上がり
・インバウンド:昨年7~9月に自然災害で低迷した反動で前年同月比が大幅増

主なマクロ経済動向の見通し

★当面はプラス材料が見当たらない可能性

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(画像=松井証券)

主な市場の見通し

★世界市場全体で前半もみ合いまたはジリ貧も、後半回復に期待

図表5
(画像=松井証券)
田村晋一,松井証券
松井証券ストラテジスト 田村 晋一(たむら しんいち)
京都大学経済学部を卒業後、太陽神戸三井銀行(現三井住友銀行)に入行。米国MBA 留学、外資系大手コンサルティング会社勤務等を経て、UBS 証券、ドイツ証券、バークレイズ証券にて銀行セクター担当アナリストとして豊富な経験を積み重ねる。

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(提供:松井証券