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『NET MONEY』2019年3月号(1月21日発売)
足元の金融マーケットではさまざまな懸念材料が台頭し、外国為替市場では円高が定着、株式市場ではボラタイル(変動率の高い)な動きに加え、値動きの重い展開が続いています。一方で、全体相場の値下がりによって5%や6%といった高配当銘柄が続出中。大手銀行の普通預金の金利が0.001%ですので、あらためて株式投資による配当利回りの高さが注目されます。特集では、高配当に加え、魅力的な株主優待に注目。不透明なマーケットの中でも着実に利益を追求できるインカムゲインについてご紹介します。マーケットが落ち着けば、インカムゲインとキャピタルゲイン(値上がり益)のダブルメリットが狙えます! ※画像をクリックするとAmazonへ飛びます
佐藤勝己 株式アナリスト
山一證券経済研究所で企業調査アナリスト、山一證券の投資情報部を経て金融情報会社フィスコに入社。主に個別銘柄を担当する。情報収集力に優れ、個別銘柄の分析力には業界関係者も一目置く。
高配当株は権利落ち後の株価低迷状態が長期化
昨年10月以降の株価下落で配当利回り妙味は全般的に高まりつつあるが、東証1部企業の配当利回りは単純平均で2%強にすぎない。
とはいえ、全上場企業の中で予想配当利回りが5%を超える銘柄も50以上ある(1月7日現在)。なかには、株価の上昇以上に業績が好調で増配を行い、高い利回り水準を維持している銘柄もある。しかし、一般的にこうした高配当利回り銘柄は業績面での懸念が強く、インカムゲイン以上のキャピタルロス(売却損)が予想されるものや、業績悪化につれて減配が予想されるものなどが多い。いわゆる投資リスクが大きい銘柄であるため、安定高配当銘柄と比較して、権利落ち後の手じまい売り圧力などが強まりやすく、その後の株価低迷状態も長期化する傾向があると考えられる。