- 第4四半期の決算報告予定日:1月30日(水)市場開始前
- 予想売上高:269億7000万ドル
- 予想EPS:4.58ドル
ボーイング(NYSE:BA)株のチャートを見ると、現在の厳しい世界経済状況の中でもボーイング社は耐えていることが分かる。10月に最高値である394ドルを記録後、12月末までに23%下落した後で、再び同社株は上昇している。
12月の安値を打って以来、ボーイング株は既に19%回復している。この株価の上昇の上で、投資家は来週の第4四半期の決算報告を期待している。
しかし、世界経済低迷の懸念が後退することで、投資家は空運株やディフェンシブ株への資産の流入が減ると考えられる。ボーイング株の22日の終値は357.90ドルであり、そのような傾向が見られる。
ボーイングは中国に工場移転をすすめており、今後報復関税の行方によって受注や出荷に大きく影響が出る。同社株の動向は米中間の貿易戦争によって左右されている。
中国リスクは無視できない
トランプ政権による政治リスクは高い。私たちの観点では、中国が極端な譲歩があるまでは、米国は貿易協議で大きく進展があることはないだろうと見ている。短期的に中国のリスクはボーイング社にとって無視できない要因である。
例えば、貿易戦争が激化していた9月に、中国はエアバスの180億ドル規模のA320neoの受注への商談を再浮上していた。一方、ボーイングの30年以上のお得意様であるXiamen Airlinesは、エアバスへの新たな注文を模索していた。
いままでボーイングは、商業用の航空機の受注が堅調であったり、売上成長への見込みも強かったため、中国リスクに対する懸念を軽視してきた。
前回の決算報告では、ボーイング社は商業用の航空機への世界的な需要が堅調であった。世界の旅客輸送は年間ベース(~2018年8月)では6.8%上昇しており、荷物輸送では4%の上昇となっている。
ボーイング社は、年間売上高は1000億ドルになると予想されており、これは前回の予想より10億ドル増加している。今年受注残は170億ドル増加し、4910億ドルとなる。これは5800機の商業用航空機がまだ出荷されていないことになる。
ボーイングの前回の決算報告では、同社は2018年の収益見通しを上方修正し、EPSを16.90-17.10ドルとしていた。それより前の予想ではEPS16.60ドルであった。
要点
中国のリスクは免れないが、長期投資としてはボーイングは良い株だ。航空機器開発製造会社としては、エアバスと複占(2社独占状態)である。この強みは、ポートフォリオに組み込む上でとても魅力的である。
第3四半期ではボーイングは46億ドルの営業利益と、25億ドルの自社株買い戻しを行った。同社の配当は2.25%と良いわけではないが、今後の潜在的なリターンは魅力的である。EPSの過去五年間の年間平均成長率は18%である。(提供:Investing.comより)
著者: ハリス アンワル