• 1月24日:インテル第4四半期決算
  • 予想売上高:190.1億ドル
  • 予想EPS:1.22ドル

24日発表のインテル(NASDAQ:INTC)の第4四半期決算では、同社が需要減退に十分に耐えうることを証明する必要がある。同社はテック企業向け製品や、PC・スマートフォン向け製品などの多様な製品ラインを持っており、同社の2018年の業績へ寄与した。

今期において、同社はスマートフォン向け製品への需要が減少した時、PCやサーバー用の高額な製品に注力していた。この戦略により、同社の第4四半期決算では売上高が12%高の190.1億ドル、EPSが13%高の1.22ドルとなることが見込まれている。

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(画像=Investing.com)

半導体業界が周期的な不振にあえぐ中、最大手である同社の株価は、過去6ヶ月間でアウトパフォームしている。8月25日の同社の第3四半期決算以来、半導体セクターでは最高のパフォーマンスであり13%高となっている。

しかし、投資家やアナリストにとって重要なのは、2019年もこの勢いが持続するかどうかである。2019年はインテル含む半導体業界にとって踏ん張りどころとなるだろう。

需要減退

過去数年間の半導体セクターが強気相場であった要因は、スマートフォンの普及やクラウド、データセンター、マイニングなど社会のデジタル化であると考えられる。実際、グラフィックボードへの需要は強く、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)の株価は急上昇した。

しかし、状況は変わりつつある。スマートフォンメーカーからの需要はピークに達し、減退しつつある。この影響は既にインテルの競合他社にまで及んでいる。需要減退が進むにつれて、同社がトレンドを逆行するのも限界がある。

また、世界経済の不透明感が払拭されず、米中貿易協議が失敗に終わった場合は、グーグル(NASDAQ:GOOGL)やアマゾン(NASDAQ:AMZN)などのテック企業が、データセンターやクラウドコンピューティングへ投入する資金は確実に減るだろう。

パソコン市場では、半導体の生産不足によってPC用半導体の価格は高値を維持していた。しかし、インテルは設備投資により、生産能力を向上させたので、PC用半導体価格は下落するだろう。しかし、PCへの需要は減少している。ガードナー社によると、第4四半期における世界のPC出荷台数は4%減であった。

これらの周期的な要因の他に、インテルは半導体業界で競争にさらされている。半導体業界では盛んに最も小型で最も効率的で最も強力な半導体が大量に開発・生産されている。

最大の競合は台湾の台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー (TSMC)であり、市場のシェアを急速に奪っている。TSMIは過去に1度、インテルの時価総額を上回っている。クラウドコンピューティング最大手のアマゾンは社内のサーバにTSMIの半導体を用いることを発表している。

要点

これらの脅威を考えると、2019年のインテルが最高値を更新することはないだろう。しかし、同社株は、大規模な研究開発により、半導体セクターにおける人気銘柄でありつづけるだろう。ドル箱であるPC事業と2.48%の配当利回りを考えると、インテル株は長期保有におすすめである。我々は、40ドルを下回る水準が長期投資家にとって良いエントリーポイントであると考えている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル