最近、不動産投資を始めたばかりの方の中には、どのような心構えで確定申告に望めばよいか不安な方もいらっしゃるでしょう。ここでは「不動産投資をしている人なら押さえておきたいポイント」にフォーカスして解説していきます。併せて、利用率が高まっているe-Taxの概要もご紹介します。

確定申告を怠ると、懲役や罰金刑に科せられることも

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(写真=PIXTA)

はじめに、確定申告の基本からお話していきます。確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得を合算し、税額を計算した後、翌年の2月16日(※土日の場合は翌月曜日に)から3月15日までの申告期限内に確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続のことです(2019年は2月18日から3月15日まで)。

確定申告の経験があまりない方が迷いやすいポイントとして、「青色申告、白色申告どちらを選択すべきか」があります。白色申告は、簡単な帳簿付けで確定申告を終えることができるため、書類を作成する手間を軽減できるというメリットがあります。一方で、青色申告には認められている「特別控除」がないというデメリットがあります。

青色申告には、貸借対照表や損益計算書を作成する必要があり、白色申告に比べ帳簿付けが複雑、青色申告承認申請書を提出する必要があるなど、手間がかかるというデメリットがあります。しかし、専従者給与を経費算入できることや、特別控除(最高10万円または最高65万円)が認められていること、赤字を翌年以後3年間繰り越すことができるなどのメリットがあります。最近では、白色申告であってもしっかりとした帳簿付けが求められるため、青色申告を選ぶ人も増えているようです。

確定申告を怠ると、無申告加算税が生じる場合や、延滞税が生じる場合があります。また、虚偽申告その他不正な行為により税金の支払いを免れる行為は、「逋脱(ほだつ)行為」と呼ばれ、懲役や罰金刑に科される場合もあるので注意しましょう。

不動産所得の申告では経費算入が鍵となる

不動産投資をしている方の申告のベースとなる不動産所得とは、不動産投資によって得られた総収入金額から必要経費を差し引いたものです。

不動産投資で必要経費として認められるのは、設備や建具などの修繕費や、不動産会社に管理を委託する場合の管理費、物件の購入時に契約したローンの利子、物件を所有することに対して発生する固定資産税などです。税理士への報酬も当該不動産所得と関係がある範囲で、経費算入できます。尚、経費算入できない項目としては、不動産を購入するためにローンを組んでいる場合、借入金の元本の返済にあたる部分は経費にならない項目になります。また、携帯電話代なども不動産投資以外に使った分については経費算入できないのでご注意ください。

また、所有している物件の減価償却費も経費になりますが、建物部分にだけ認められ、土地部分では認められません。償却年数は建物の構造によって異なり、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造で住宅用の場合は47年、木造で店舗用・住宅用の場合は22年となっています。

もし、新築物件の建物(鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造かつ住宅用)の取得価額が2,000万円で、定額法で計算する場合は、定額法償却率0.022(新築物件の場合の償却率)を掛けて算出された44万円を毎年必要経費として計上できるようになるので、計算方法を覚えておくと便利でしょう。

申告を効率的に行うための「e-Tax」という仕組み

確定申告を行う際は、税務署に確定申告に必要な書類を提出するのが一般的ですが、書類作成や提出しにいく手間がかかります。これを軽減する仕組みがe-Tax(イータックス)です。

e-Taxとは、2004年に導入された「国税電子申告・納税システム」のことです。インターネットの接続環境さえあれば、誰でも自宅やオフィスにいながら申告や納税などの手続きが行えるというものです。

税務署に直接行って確定申告を行う場合は、税務署の開いている時間にしか手続きできませんが、e-Taxの場合には所得税等の確定申告期間中は原則として24時間手続きできます。また、書類の貼付を省略できるほか、計算ミスが生じにくいといったメリットもあります。確定申告のピーク時には税務署で長蛇の列の中で待つことを考えると、e-Taxは大変便利と言えるでしょう。

不動産投資を行っている方は忘れずに確定申告を

不動産投資を行っている方は、確定申告を行う必要があります。他の分野での投資も同じですが、利益を得ることだけを考えていては、社会的な責任のある投資家といえません。物件を購入し、入居者管理を行い、家賃収入を得る。これに、確定申告を加えて、不動産投資のスキームになります。

冒頭でもふれた通り、面倒だからという理由で申告しないと、ペナルティの税が加算されるだけでなく、処罰の対象になる場合もあるので注意しましょう。(提供:Wealth Lounge


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