何ヶ月も不明瞭な見通しや、マクロリスクが続く中で投資家は市場に慎重になっていたが、株式市場は徐々に回復しつつある。先週のFOMCでは明らかにハト派一色になり、辛抱強く政策金利を行うとした。

FOMCでは金利が据え置かれた上で、 雇用統計の結果は引き続き強く、主要企業は好決算であり、一部のアナリストは2019年のさらなる上昇の可能性の話を初めている。しかし、我々は引き続き市場を楽観視するには早すぎると考えている。

米中間の貿易戦争、ブレクジット、中国経済の低迷など、あらゆるリスクがまだ未解決のままである。今週の大事な米国のグローバル企業の決算発表の結果で、この株価上昇はしっかりとした地合いを形成して上昇していくのかどうかを伺えることになるだろう。以下が、今週注目するべき3銘柄である。

1. グーグル

Googleの親会社であるアルファベット (NASDAQ:GOOGL)は、第4四半期決算を2月4日の市場終了後に発表する。

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(画像=Investing.com)

第4四半期の市場予想ではEPS(一株あたり利益)は10.68ドルであり、前年同期比で12%の上昇になるとみられる。売上高は約20%増であり、389億4000万ドルとなる見通しである。

グーグルにおいて、投資家は主要な収入源であるデジタル広告への依存から脱却するための取り組みに注目している。グーグルがマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)やアマゾン(NASDAQ:AMZN)と競合しているクラウドコンピューティングの分野で、強い成長を示すことができれば、同株は上昇するだろう。また、投資家はアルファベット傘下のウェイモの自動運転への取り組みに注目しているだろう。

しかし、投資家はソーシャルメディア企業に対して楽観的な見方はしていない。なぜなら、データ侵害やプライバシー問題によって規制当局による監査の厳格化などが逆風となっているからだ。このことは過去12ヶ月間に渡る同社の株価の推移に表れている。グーグル株の2月1日の終値は1118.62となっており、月曜日の決算発表で好材料があれば、株価は上昇するかもしれない。

2. ディズニー

ウォルトディズニー(NYSE:DIS)は2019年度第1四半期決算を2月5日の市場閉場後に発表する予定である。EPSが昨年同期比18%減の1.55ドル、売上高がほぼ横ばいの約150億ドルとなることが予想されている。

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(画像=Investing.com)

今年度末に同社がストリーミングサービスを柱にして、どのようにネットフリックス(NASDAQ:NFLX)と対抗していくのかが主な焦点だ。

同社はディズニープラスという動画配信サービスのローンチを2019年末に計画している。マーベル、ピクサー、スターウォーズなどや、71億ドルの買収で得たFOXのコンテンツなどがラインナップとなる予定である。

このベンチャービジネスを考えると、少なくとも2019年の間、投資家は収益・利益の成長を意識すべきでない。新しいコンテンツの制作、マーケティング、配信などによって多大なコストがかかる一方で、ネットフリックスなどのサービスから得ていた収益が失われる可能性が高い。

同社株はこれらの新たな取り組みによって、下押し圧力を受けている。過去1年間でほとんど株価は上昇していない。2月1日の終値は111.30ドルで取引されている。同株を保有する上で長期的に考えなくてはならないが、今後の見通しは難しい。

3. ツイッター

ツイッター(NYSE:TWTR)も第4四半期決算を2月7日の市場開始前に控えている。市場予想では、売上高は8億6900万ドル、EPSは0.25ドルとなるとみられている。

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(画像=Investing.com)

ツイッターの第3四半期では、世界的に過去最大のアクティブユーザーが減少した一方で、特に米国の広告事業による 売上高増加がみられた。

同社は、動画広告コンテンツの推し進めており、今後もこれからの売上が見込まれる。これがジャック・ドーシーCEOの事業戦略の一つであり、我々はツイッター広告の魅力が増すものと考えている。現在では動画広告事業は、ツイッターの広告収益の半分を占めている。

ツイッターは、フェイクアカウントやヘイトスピーチの除外の前衛的な対応が、他ソーシャルメディアより進んでいる。同社株の終値は1日、33.19ドルとなった。過去12ヶ月で、30%の上昇となっている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル