今週の総括
★決算反応を織り込みつつ、明確な上げ材料を見出せず、米株安につられて下落
今週の日経平均は、前半は小幅の推移が続くも、後半は米株価の下落に合わせて下落して引けた。
先週に続き、為替や日米の長期金利、原油価格などの市場価格に大きな変動が見られない中、NYダウが米雇用統計好調を受けて強めの推移で始まり、日経平均にもサポート材料となったとみる。本格化した決算発表も、事前想定通りに下方修正が多いが、発表後に大きく下落する銘柄はさほど多くない印象。時価総額最大のトヨタが下方修正発表後に極端な下落とはならなかったのが象徴的。一方で、大規模自社株取得を発表したソフトバンクグループ(SBG)やソニーの株価が大きく上昇するなど、個別には好材料も見られた。しかし、週後半にNYダウが少し下落すると、日経平均もつられ安となった。
業種別にはSBGの属する通信を除くとほぼ全面安の印象も、鉄鋼、精密機器、紙・パルプ、電力・ガス等が横ばい。下落幅が大きいのは、資源株を筆頭に、自動車、医薬品、非鉄、繊維等。グロース/バリュー指数の比較では違いが見られず、配当フォーカス指数含めてディフェンシブ指向は今週も見られない印象。
来週以降の見通し
★材料待ちが続きそう
日経平均想定レンジ 19,500~21,000円
来週の日経平均は、もうしばらくボックス圏の動きが続く可能性が高いとみる。
決算発表は来週まで続くが、今のところ、市場の流れが変わるような材料にはなっていない印象。下方修正となった企業の背景にある、国内の人出不足、中国や米国の景気減速や米中通商摩擦のマイナス影響、米国・中国のスマホ市場や自動車市場の減速などは、いずれも既に昨年から意識されていて、株価にも相当織り込み済みとなっていたためと考えられる。また、これらの要因はまだまだ続くため、今回の下方修正をもって「悪材料出尽くし」ともなりにくく、株価の反転材料にもなりにくい。
次の株価材料は、今週の中国旧正月に伴うインバウンド観光客の動向、米中貿易協議の期限(3/1)、次回のFOMC(3/20結果発表)での米利上げ動向だろう。米朝首脳会談が決定したが、市場価格への影響はほぼ見られず、「材料」としての影響度はかなり小さくなっている印象。この中で米中関連も米利上げ動向も、まだ当分の間は方向性が見られない可能性が高く、結果として株価がこう着し続ける可能性が高い。残るはインバウンド動向だが、数少ない材料となる分、関連銘柄の値動きが大きくなりやすいかもしれない。
コラム:徒然なるままに
京都府の久美浜湾で養殖されているカキが記録的不良との記事を見つけた。
昨夏の猛暑と西日本豪雨の影響が大きいらしく、死滅したり生育不良となり、出荷可能なサイズに育ったカキが相当少なく、地元の「カキ・魚まつり」も中止となったそうだ。養殖業者はもちろん地元にとっても残念な話だろう。京都府海洋センターのコメントによれば、夏場の高温と豪雨による海の淡水化、湾内の水質がきれいになりエサとなる植物プランクトンも減ったことが重なった可能性があるそうだ。
その中でビックリしたのは「淡水化」。豪雨の後、海水面から2メートルぐらいが真水になっていたそうだ。小さな池や沼ではない。海である。その海の表面2メートルが真水になるとは、どれだけの雨量だったのか。周囲の川から流れ込んだとしても、全く想像ができない。改めて自然のすごさを感じさせる。
豪雨と猛暑は久美浜湾だけではない。最近はサンマやサケ、昆布にスルメイカ等、多くの水産物の不漁ニュースが多いし、心配になって検索してみた。ちなみにカキの産地は、瀬戸内、三陸、三重、北海道などだが、特に広島県は水揚げ量が全国の50~60%を占める。見つけた記事では、西日本豪雨の影響で養殖いかだが被害を受けたり、この数年は水温上昇で採苗(カキの幼生を貝殻に付着させること)に減少傾向などとあったが、出荷量減少の記事は見当たらなかった。少し安心。
ニュース検索していて、全く関係ないがタケの花の記事を見つけた。タケは数十年に一度開花するらしい。しかも一斉に開花する傾向が強く、開花後は一斉に枯れるらしい。1960年代にマダケが全国で一斉に開花して枯れたそうだ。それが120年ぶりだったものの、事例が少なく周期はまだ断定できないそうだ。モウソウチクも有名だが、こちらは67周期が2例あるだけで、こちらも周期は不明。
そんな中、明石でクロチクという種類が開花したそうだ。開花後に一斉に枯れるので、不吉の象徴と言われることもあるらしいが、数十年に一度なら一生に一度あるか無いかの珍しい現象だ。何となくラッキーという気もする。要は気の持ちよう。
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