米中貿易協議は合意に近づき、徐々に人民元高となってきている（USD/CNYでは下落）。中国は外交関係の安定化を図って合意に向かい何らかの譲歩が考えられ、一部の投資家は人民元を買う絶好の機会だと考えているだろう。
中国経済の低迷は人民元の悪材料になっている。中国経済低迷の要因が米中貿易摩擦だとすれば、この問題が解決すれば人民元は上昇すると考えられる。
しかし、人民元は今後も地政学的な要因に左右されやすいだろう。
USD/CNYは2月15日の高値と2月25日の安値の7営業日間で1.6%以上下落した（上図）。
それ以降は、過去5営業日では持ち合い相場であり「下降フラッグ」を形成している。フラッグ自身は上昇しているが、この下降フラッグパターンは今後下落することを指し示している。
人民元はドルの需要の高さから人民元高になりずらいと考えられるが、むしろ、ドルの上昇の後の調整でドルが売られることが今後のUSD/CNYを決めると考えられる。
現在のフラッグの下抜けは、さらなる下落をを呼び起こすだろう。フラッグ下抜け後のリターンムーブ（戻し）ではフラッグをテストし、再び下落していくと考えられる。
この下目線の考え方に加え、USD/CNYは昨年12月以降、下降チャネルの中で取引されている。現在はこの下降チャネルの底を打って反発しているが、すぐに下落に戻ると考えられる。また、2月では200日移動平均線の上抜けを3回テストしたが、失敗している。
また、50日移動平均線は200日移動平均線を下抜けし、デットクロスを形成している。さらに、デットクロスは下降チャネル中に起こっており、売り圧力の強さが窺える。
最後に、このフラッグは下降トレンドの中で形成されており、今後の下抜けが考えられる。
トレード戦略
慎重なトレーダーは、騙し下げを避けるためにフラッグから3%の下抜けを待とう。続くリターンムーブ（戻し）でフラッグを上抜けしないことを確かめ、大陰線が来たらショート。
一般トレーダーは、フラッグから2%の下抜けし、良いエントリーのためにリターンムーブ（戻し）を待とう。しかし、フラッグをテストするかどうかまでは待たなくて良い。
積極的なトレーダーは、現在ショート。
トレード例
エントリー: 6.7020
損切り: 6.7120,金曜日の高値より上
損切り幅: 100 pips
目標価格: 6.6020
利確幅: 1,000 pips
リスクリワード・レシオ: 1:10（提供：Investing.comより）
著者：ピンカス コーエン
