近年、YouTubeをはじめとしてFacebookやInstagram、Twitterなどのさまざまなプラットフォームで動画広告を目にする機会が増えています。通信環境やスマホ・タブレットなどモバイルデバイスの普及、プラットフォームの充実など、動画マーケティングを取り巻く環境は日進月歩で進化しています。そこで今回は、マーケターなら知っておきたい動画マーケティングの基本について解説します。

Webマーケティングにおける動画の位置づけ

instagram
(画像=AngieYeoh / Shutterstock.com)

近年はモバイルデバイスの普及により、いつでもどこでも手軽に動画コンテンツを見ることができるようになりました。また通信環境やプラットフォームの整備などインフラ面も充実してきています。そのため、インターネット広告も文字や画像から、より情報量が多くインパクトのある動画へのシフトを始めています。

動画広告の市場規模も拡大傾向にあります。電通、サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、D2Cが2018年3月28日に共同で発表した「2017年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によれば、2017年の動画広告費は1,155億円で、2018年には1,612億円と前年比139.5%に拡大すると予測しています。この報告は、消費者に動画でアプローチすることの重要性が高まっていることを示しています。

マーケターが学ぶべき4つのこと

これからさらに動画の普及や重要性が増す中で、マーケターが動画コンテンツを活用していくために学ぶべき基本的な項目を4つご紹介します。

① 動画マーケティングの種類

動画マーケティングには大きく2つの種類があります。ユーザーが検索するなどしてたどり着く「動画コンテンツマーケティング」と、広告として他のコンテンツに挿入する「動画広告マーケティング」です。

動画コンテンツマーケティングには、ハウツー動画や面白系動画、情報発信系動画などがあります。動画広告マーケティングには、記事をスクロールしている途中で動画が表示される「インリード」、SNSのタイムラインなどに表示される「インフィード」、従来バナー広告が表示されていた枠に動画を表示する「インバナー」、そしてYouTubeなどの動画サイトで本編の動画が始まる前に流れる動画広告の「インストリーム」があります。

② プラットフォーム

さまざまな世代で利用されている各種SNSの多くは動画機能を備えており、企業が動画マーケティングを行う上でも非常に役立つツールです。国内で広く利用されている代表的なプラットフォームは以下の5つです。動画マーケティングを成功させるためにはそれぞれの特性を見極め、自社のコンテンツや目的、リーチ対象などを明確化して最適なプラットフォームを選択する必要があります。

●YouTube

世界一認知度が高い動画プラットフォームで、さまざまなマーケティング手法に対応しています。YouTubeが提供するアクセス解析ツールも利用できます。大手企業も活用しており、ストーリー性の高い動画広告を発信することで、自社商品の認知度向上だけでなく、企業ブランド向上も期待できます。

●TikTok

中国発のショート動画の共有プラットフォームで、その手軽さから若者を中心に人気が上昇しています。投稿がしやすいほか、ハッシュタグの活用やインフルエンサーとのコラボなどでキャンペーンを展開する企業も増えています。

●Facebook

世界一規模の大きなSNSでさまざまなマーケティング機能があります。Facebook広告では、個人の属性や興味関心などユーザーごとにセグメントできるので、より細かいターゲティングが可能です。利用者数が多いため、拡散性にも優れています。

●Twitter

140文字(日本語・中国語・韓国語以外は280文字)でメッセージを投稿できるSNSで、画像や動画も投稿できます。Facebook同様に拡散力が高く、企業や商品、キャンペーンなどの認知度を瞬時に高めることができます。リアルタイム性が高いのも特徴で、テレビCMとの連動企画でリーチ数を爆発的に高めた企業もあります。

●Instagram

写真投稿を中心としたSNSですが、動画も投稿できます。2018年6月からIGTVというプラットフォームが利用できるようになり、最長60分の動画を投稿することが可能になりました。モバイルファーストで縦型フルスクリーン表示に特化した設計です。企業にとっては長尺の動画を活用したブランド力強化やリーチ数の増加が期待できます。

③ 内製かアウトソースか

動画コンテンツの制作費用は、コンテンツの内容や作り込み方により大きく変わってきますが、内製の場合は工夫次第で数万円の予算で対応できます。一方アウトソースした場合も内容次第ですが、数十万円~数百万円の幅があります。コスト面に加えて、社内における動画制作のリソースの有無やコンテンツの技術的な難易度や納期など、さまざまな要素を検討して、内製とアウトソースを使い分けることが大切です。

④ 効果測定(各種指標)

動画マーケティングを行う際には、想定ターゲットや認知度・ロイヤリティ向上などの目的を明確にした上で効果測定を行う必要があります。効果測定に使う指標はさまざまですが、代表的なものには下記のようなものがあります。

●再生回数

再生回数のカウント方法はプラットフォームにより異なるため、比較には注意が必要です。また、再生回数は認知獲得や新規ターゲットへのリーチという意味においては有効なKPIですが、理解の深さなどは別の指標が必要です。

●クリック再生率

Webページ内に表示された回数のうち、動画がクリックされた割合です。Webサイトの内容と動画の内容の関連性を測ることができます。

●視聴維持率

再生時間ごとにどのくらいの人が視聴し続けたかの割合を測る指標で、動画の魅力を測る指標と言えます。

動画マーケティングを成功させるコツ

企業が動画マーケティングを成功させるために、担当者はいくつかのコツを知っておかなければなりません。たとえば、「ターゲットを明確にすることで訴求力の高いコンテンツを作成する」「ストーリー性を持たせることで、共感や興味をかきたてて記憶に残りやすくする」「利用者がランディングページなどに移動しやすいようにCTA(Call to Action)ボタンを表示する」「常に効果測定を行って改善する」などは押さえておくべきポイントです。

通信環境やテクノロジーの進展、若い世代を中心とした消費者行動の変容によって、文章や画像よりも圧倒的な訴求力を持つ動画マーケティングは、今後もますます重要性を増していくでしょう。さらにVR(バーチャル・リアリティ)広告など体験型の新しい広告手法の可能性も広がっています。企業のマーケティング担当者においても、動画マーケティングの基本を理解し他企業のさまざまな成功事例を研究することで効果的な活用を探るとともに、自社に適した最適な手法を戦略的に選定する必要があるでしょう。

文・J PRIME編集部(提供:JPRIME


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