一般的に、普通の不動産投資の際は、不動産価格について深く考えず、仲介会社に値段を決めてもらうことが多いのではないでしょうか。しかしながら、不動産鑑定士を使って、専門的な観点から価格を出してもらうことも検討すべきではないでしょうか。特に、高額の価値が想定される不動産は、有料の土地鑑定士に依頼した方が結果メリットを多く感じるかもしれません。不動産の値段の決まり方や、不動産鑑定士に依頼するメリットを解説します。

不動産の値段、どうやって決まる?

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(画像=Andrey_Popov / Shutterstock.com)

まず、不動産の値段は、どのように決まるか、ご存知でしょうか。公示価格や固定資産税評価額がそのまま不動産の値段になることは、実はあまりないのです。

不動産の価格を決めるには、主に3つの方法があります。

1つは原価法と言い、もし、建物を最初から立てたとしたら、どれくらいかかるのかという視点で評価を行います。もちろん新築価格ではなく、対象の不動産の築年数に応じて、新築時の価額から差し引いた価格が出されます。

もう1つは、収益還元法といい、利回りと想定収益で物件価格を求める方法になります。還元利回りは、類似の物件や、借入金と自己資金から求める方法など、様々な方法がありますが、公式にこれといったものはありません。また、現在価値を割引くなど、複雑な計算をするケースがあります。収益還元法による評価は、価格に幅が出やすくなっています。

最後が取引事例比較法で、近隣不動産の取引事例から価格を決める方法になります。こちらが最も一般的な価格の決め方と言えるでしょう。

不動産鑑定の現場では、これら3つの手法をベースとしながら、様々な観点で不動産価格を決定していくのです。

不動産鑑定士に頼むべきメリット3選

では、実際、専門家に頼むのは、どのようなものがあるのでしょうか。具体的なものを3つ見ていきましょう。

論理的に正しい価格が出せる

まず、専門家の目を通すことで、論理的な価格が出せる、ということです。不動産というのは他に同じものが存在しないため、価格の妥当性というのはなかなか決まりません。そういった中、専門家が客観的に出す価格というのは、一つのマイルストーンになるでしょう。

また、正しい価格と言うのは、税金の面からもメリットがあります。市場価格や論理価格と実際の売買価格がかけ離れていると、税務署から過少申告・過大申告とみなされる可能性もあります。そういった意味でも、ある程度正しい価格を知っておくにこしたことはないでしょう。

第三者意見として、売買についてもアドバイスしてくれる。

不動産鑑定士は、ただ鑑定しているだけではなく、多くの場合、不動産に関するコンサルティングも行っています。つまり、売るタイミングや、売り方が、正しいかどうかのアドバイスもしてくれるのです。

どうしても、不動産業者と個人では、知識に差があり、不安に感じることも多くあります。そういった中で、第三者としてアドバイスをくれる鑑定士は、貴重な存在と言えるのではないでしょうか。

費用は経費として計上できる

最後に、不動産鑑定の費用は、経費として計上することができます。つまり、実際に支払うお金を、売却益から出すことができるのです。もちろんプラスで売却できる時のみに限りますが、これも1つのメリットと言えるでしょう。

なお、不動産鑑定士の費用は、地域や物件の種類によっても異なりますが、数億円を超えるような物件でなければ、数十万円が妥当といったところが多いようです。数千万円の取引額なので、それくらいの金額は、十分必要経費と言えるのではないでしょうか。

不動産鑑定士を活用して、安心した不動産取引を行おう

不動産は他に同じものが2つとないので、価格決定プロセスが不透明な部分もあり、不安に思う人も多いかもしれません。そういった場合、不動産鑑定士を活用することで、透明性のある評価をしてもらうことで、価格交渉がしやすくなるのではないでしょうか。

コンサルティングもしてくれる不動産鑑定士を使うことで、不動産を安く売りすぎてしまうリスクや、追徴課税を受けるリスクも減りますし、何より第三者の意見を聞けるというのは不動産投資家にとってはメリットが大きいでしょう。特に、高額の不動産を取引する場合は、ぜひ、不動産鑑定士を活用してみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部(提供:JPRIME


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