超低金利が続く今の日本において、銀行預金で資産形成を図ることは現実的ではない。多くの人が、何らかの金融商品による資産運用を考えているだろう。一方で、最近流行している仮想通貨は、大きなトラブルがあったばかりで、投資の一歩を踏み出せずにいる人もいるかもしれない。そこで、そんな投資初心者向けに、投資のリスクに焦点を当てた資産運用商品を紹介しよう。

投資の世界でいう「リスク」とは

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(画像=Kunst Bilder / shutterstock.com)

しばしば投資で、「リスク」という言葉を耳にするだろう。リスクとは、投資の結果に不確実性を伴うことを指す。つまり、投資の利益(リターン)の振れ幅を意味している。簡単な例を挙げると、株式Aと株式Bの株価の変動が、それぞれ50円と100円であれば、株式Bのほうが、よりリスクの大きい金融商品ということになる。

そして、高いリターンを望めば、それだけリスクも大きくなる。その反面、低いリターンほど、リスクは小さくなる。つまり、「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」という関係性が成り立つのだ。

元本確保タイプの金融商品

投資初心者にとって、知識や経験を十分に積むためにも、まずはリスクが低く抑えられた金融商品から投資をスタートするのがいいだろう。基本的に元本が保証された「元本確保タイプ」の金融商品として、高金利の定期預金や個人向け国債などがある。

メガバンクの一角、みずほ銀行の普通預金金利は、0.001%(2019年4月1日現在)と、ほとんどゼロに近い。一方、オリックス銀行の預入期間5年もの定期預金は0.30%(同上)である。特に夏・冬のボーナスシーズンなどは、キャンペーンで定期預金の金利が優遇される銀行もあるため、より効率的に資産形成を図れるよう、各銀行のホームページにも目配りをしておく必要があるだろう。

続いて個人向け国債だ。日本国が発行している個人でも購入できる国債は、定期的に利子(固定金利5年もので0.05%)が支払われ、満期になれば元本の返済を受けられる商品設計となっている。1万円から購入できるため、今まで銀行預金しかしてこなかった人でも、銀行預金の一部を個人向け国債に回せば、立派な資産運用となる。

これらの定期預金や個人向け国債であれば、基本的に元本が保証されているため、投資初心者にとっても安心して始められ、かつ着実に元手を増やせる金融商品といえる。しかし、いわゆる「ローリスク・ローリターン」の金融商品のため、安定性は誇るものの、資産を大きく増やすことは期待できない。

リスクを取りにいくタイプの金融商品

リスクを積極的に取る金融商品の代表格は、株式や投資信託だ。元本は保証されていないものの、運用がうまくいけば、大きく資産を増やすことができる。

株式はソフトバンク <9434> や楽天 <4755> など、上場企業が発行する「株式」を購入することで、その対価として配当金や株主優待などの権利を得られる金融商品だ。株式の値上がり益や安定的に配当を受け取ることが期待できる反面、元本が保証されていないため、当然、投資環境や経済情勢によって、元本を損なう可能性が出てくる。そのため、投資初心者は、あくまで生活資金とは分けた余裕資金を活用することが重要だ。最初は少額で投資して、株式に関する知識や経験を十分に身に付けよう。

投資信託は、運用のプロフェッショナルが投資家から集めた資金をまとめて運用する金融商品である。投資初心者にとっては、具体的な投資商品や投資国などの判断を、投資のプロに任せられるメリットがある。投資信託も株式と同様に元本が保証された商品でないことに加え、投資信託を保有している間「信託報酬」という手数料がかかってくるため、注意が必要だ。一般的に投資信託での運用は、長期間に及ぶが、着実に収益を積み重ねていくためにも、なるべく信託報酬の手数料が低い投資信託を購入したい。

初心者向けの投資商品について、リスクの程度から大別してみた。これから投資を始めようと検討している人は、投資のリスクという視点を大切に、自分自身のリスク・リターンにマッチした金融商品を選択してほしい。