中古マンションは1棟ごとに立地条件や特徴が異なる。購入前には事前の現地確認(内覧)が必須だ。そして、投資物件を確認するときには押さえておくべきポイントがある。ここではマンションの外観や共有部分について、内覧で必ずチェックしたいポイントを解説していく。

外観や共用部分は、物件の印象を決める大きなポイント

タワーマンション投資,購入前
(画像=KPG_Payless/Shutterstock.com)

外観や共用部分は、中古マンションの第一印象を決める重要なポイントだ。特に物件数の豊富な首都圏では、第一印象が悪い物件はまず選ばれない。外観や共用部分が美しく保たれている建物は、日常の清掃や定期的な修繕がきちんと行われている。購入後に高額の修繕費を求められないためにも、管理が行き届いている物件を選ぼう。

外観を確認するポイント

まず、建物の外観を確認するポイントは次の3点だ。

(1)外壁にさびやひび割れがないか

マンション外壁のさびやひび割れは、建物の劣化に直結する上、見た目の印象が非常に悪い。それにもかかわらず放置されているのは、修繕できない何らかの事情があるからと考えられる。購入後に多額の修繕費用が発生したり、マンションの価値が大きく低下したりする恐れもあるので注意が必要だ。

(2)植栽やごみ置き場の管理状態

植栽やごみ置き場は、マンションの管理状況を示すポイントの1つだ。植栽が美しく、ごみ置き場もきちんと清掃されている場合は、管理が行き届いたマンションといえる。逆に、植物が枯れたまま放置された物件や、ごみ置き場が汚された物件は、管理会社がトラブルや不具合にきちんと対応していない可能性が高い。

(3)駐車場や駐輪場の利用状況

駐車場や駐輪場にどのような車種が多いかによって、住民の層がある程度予測できる。例えば、ワゴン車が多いならファミリー層が多い、といった具合だ。ただ平日・休日いずれかによっても状況は違うので、できれば両方見ておきたい。

共用部分を確認するポイント

エントランスや廊下、エレベーターなどの共用部分も建物の印象を決める重要なポイントである。共用部分を確認する際のポイントについて解説する。

(1)エントランスは物件の第一印象

エントランスは入居者が必ず毎日通る。清掃状態、明るさ、においなど、違和感を覚えることがないかを確認しよう。あなたが嫌と感じたなら、入居者も嫌がると考えるべきだ。このとき、集合ポストの状態も要チェックだ。チラシや投函(とうかん)物があふれている場合は、きちんと管理されていないだけでなく、空室が多いのかもしれない。

(2)共用部の廊下や階段

廊下や階段に電球の切れた照明が多い、ひび割れや水もれがあるといった問題が見つかれば、建物の管理が行き届いていない可能性が高い。清掃状況もチェックしておこう。共用部に入居者の私物やごみが放置されている物件は、ルールを守らない住民が多いことを示唆している。廊下に物があふれているのは、災害時の避難を考えると、管理会社の危機管理にも問題があるといえそうだ。

(3)エレベーター

マンションでの生活に欠かせないのがエレベーター。その内部がきちんと清掃されているか、落書きなどがないかといったチェックもしておきたい。落書きがひどい物件は、住民の質と管理状況、両方に問題があると考えられるだろう。

さて、今回は中古マンションの投資物件を選ぶ際に、必ず押さえておきたいチェックポイントをご紹介した。入居者が「借りたい」と思うマンションとは、第一に安心して静かに過ごせる物件だろう。そのためには、「日頃から管理がしっかりと行われている」「住民がきちんとルールを守っている」このふたつが重要になる。そして、これらは、購入前の内覧によって、かなりの部分を自分の目で確認できる。外観や共用部分の事前確認は、良い物件を購入する上で欠かせない。不明な点は不動産会社への確認も有効だ。