充実した福利厚生制度は、従業員の満足度や定着度の向上、モチベーションアップにつながります。成長企業の中には、ユニークで気の利いた福利厚生制度を導入しているところもたくさんあります。中小企業経営者にもヒントとなるような、従業員のやる気がアップする制度を導入している5つの企業を紹介します。

ユニークな福利厚生制度を導入する効果は内にも外にもメリットあり

ユニーク,福利厚生
(写真=PIXTA)

ユニークな福利厚生制度は、従業員に気持ちよく働いてもらいたい、あるいはクリエイティブに業務に取り組んでほしいという企業側の想いの表れです。やる気や創造性を生み出す制度の導入は、個人の生産性を高め、企業の業績にも貢献します。

これらによって生み出される効果は企業と従業員にとどまりません。魅力的な福利厚生制度は、「働きやすい企業」として求職者にもアピールできるので、採用競争力の強化にもつながるはずです。

最近は、福利厚生サービスを外部委託するケースも増えています。ただし、外部委託する場合、内容によっては高額なコストがかかってしまったり、社内整備に時間がかかってしまうケースもあります。ユニークな福利厚生制度の多くは、比較的低コストかつ簡便に導入でき、成果や効果を図りやすいものが多いという特徴があります。以下で取り上げている5つの制度も、中小企業が導入する際に参考になる成功事例といえるでしょう。

ユニークな福利厚生5選!制度の内容と期待できる効果とは?

ユニークな福利厚生を導入している企業では、従業員満足度やワーク・ライフ・バランスの向上など、さまざまな効果を期待して制度化しています。ここでは、他社とは違った面白い制度を取り入れている企業5社のケースを紹介します。

1.違う部署の人と3人以内で飲みに行ったら補助金1人3,000円(Sansan)

「Know Me」と称されるSansanの代表的な社内制度です。他部署で、過去に一度も飲みに行ったことがない人と3人までで飲みに行ったら補助金3,000円がもらえるという制度です。飲み会という場を借りて、「部門を超えた交流で社内につながりを生む」ことを目的にしています。Sansanのミッションである「出会いからイノベーションを生み出す」を従業員レベルで実現する原動力になっています。

部署間の垣根を越えたコミュニケーションを推進することで、円滑な業務の促進やコラボレーションにもつながる可能性があります。個人個人の結びつきとチーム力の強化が目的と言えます。

2.早起きで一挙両得「早起きは1,000円の得」制度(パスクリエイト)

始業時間より1時間以上早く出社すると500円、2時間以上前に出社すると1,000円が支給される制度です。従業員が早起きによるリズムのある生活習慣を身に付けて、朝の早い時間に効率良く業務を推進することを応援する制度です。

この制度は企業側は生産性の向上、従業員側は支給金が手に入るWin-Winのシステム。生産性や効率のアップは、残業時間の減少にもつながるので、人件費削減効果も期待できます。

3.昼寝で午後の生産性向上へ「おひるねスペースGMO Siesta」(GMOインターネット)

「昼寝で頭をクリアにして、クリエイティブな発想を生み出す」ことを支援するためのこのシステムは、もともと従業員に大変人気のあった「おひるねスペース」を拡充したものです。昼寝スペースには昼寝用ベッド30台とアイマスク・耳栓も完備しています。時代の先端を行く総合インターネットグループらしい先進的な発想です。

短時間の休息は、疲労回復と生産性向上に効果があるとされています。仮眠スペースが取れない企業は、代替案として適度な休憩や息抜きのための制度を取り入れることで、従業員のリフレッシュを促すことができるでしょう。

4.遊び心満載の制度「サイコロ給&スマイル給」(面白法人カヤック)

デジタルコンテンツ企業らしい、遊び心を給与システムにまで取り入れた「サイコロ給」。基本給の上乗せ分を、従業員自身がサイコロを振って決めるユニークな制度です。「スマイル給」では、社員同士がお互いの良いところを気の利いた言葉で給与明細に添えて贈り合います。人の評価を気にせず面白く働いてほしいという願いが込められた制度です。

こうした取り組みは企業の理念を浸透させるのに効果的でしょう。特に「スマイル給」制度は、大きな投資をせずに取り入られるので注目してみてください。

5.パートナーの日頃の支えに感謝「配偶者の誕生日休暇制度」(エイト)

パートナーへの日頃の感謝の気持ちを込めて、恩返しをするために設けられたのが「配偶者の誕生日休暇制度」。他にも、子供の誕生日休暇取得制度や独身者のコンパ・お見合いへの応援給付金支給など、数多くの特別休暇や特別給付、福利厚生サービスを用意して、社員の意識向上と活性化を図っています。

働き手の価値観やライフスタイルの多様化に伴い、ワーク・ライフ・バランスの重要性が増しています。休暇制度などによるプライベートの充実やスキルアップ制度などを従業員が自由に活用できることが、業務への意欲やエンゲージメント向上にもつながります。

従業員の働きやすさが企業の成長につながる

ユニークな福利厚生制度を導入している企業では、ここで紹介したもの以外にも、多種多様な従業員向けサービスを用意しています。いずれも、企業の成長のためには、従業員の健康ややる気、生産性、ワーク・ライフ・バランスなどを高めることが大切であるという認識に基づいています。高いコストや多くの人的リソースを割かなくても、小規模な施策で簡単に取り入れられる福利厚生制度はたくさんあります。重要なのは、従業員の意欲を引き出す制度を導入することです。

人材の定着や成長、さらには企業の持続的な発展のために福利厚生制度が果たす役割は、今後ますます高まっていくことが予測されます。自社の従業員の特性を見極めたうえで、働き手が必要としている休暇制度や手当の導入など、取り組みやすい施策から始めてみてはいかがでしょうか。(提供:企業オーナーonline

【オススメ記事 企業オーナーonline】
事業承継時の「自社株評価」どのような算定方法があるのか?
不動産を活用し、事業承継をスムーズに進める方法とは?
法人税の節税対策をご存知ですか?
職場の「メンタルヘルス対策に関わる課題・悩みあり」が6割以上
経営者必見!「逓増定期保険」で節税する時のメリット・デメリット