不動産投資を検討する際、比較的少額で始められるという理由で区分マンション投資を検討する人は少なくありません。
確かに区分マンション投資は、マンションの1室だけを保有することから、頭金や融資金額も一棟物件に比べれば少なくて済みます。多額の融資金額にプレッシャーを感じる人の中には、リスクを減らそうとして区分マンション投資を考える人も多いかもしれません。
しかし、区分マンション投資は投資額は少ないですが、一棟物件にはないリスクをはらんでいます。それは、1室のみ保有することで不動産投資が始まってしまうということです。
なぜ、1室だけ保有することがリスクになるのでしょうか。以下にその理由をまとめていきますので、区分マンション投資を検討している人はもちろんのこと、すでに保有している人も参考にしてください。
1室だけ保有することのリスク
ここからは、区分マンション投資で起こり得る3つのリスクについて解説していきます。
入居率が0%か100%しかない
区分マンション投資で1室しか保有していない場合、空室が発生した時点で空室率が100%になってしまいます。そうなるとローンの返済はもちろん、マンションの管理費・積立修繕金も全額自費で支払う必要があります。もし、これが長期化したらどうでしょうか。
埋まらない1室に頭を抱えながら、毎月ローンの返済と各種支払いをしていかなければならないのは、大きな負担といえるでしょう。
家賃を下げた時の影響が大きい
区分マンション投資で保有している1室に退去がでた場合、次の募集をするにあたって家賃を下げる場合もあるでしょう。
1室しか保有していないと、家賃を下げることのインパクトが大きく、キャッシュフローにも大きな影響を及ぼします。
「気付いたら、諸経費の支払を含めた年間の利回りがマイナスになっていた」ということにもなりかねません。
このように、1室しか保有していないと家賃下落の影響が大きいこともリスクの1つと言えるでしょう。
もし、「たちの悪い」入居者だったら
区分マンション投資において、入居者の質が悪い場合、トラブルが発生しやすく、またそれが長期化する傾向があります。例えば、家賃を滞納されてしまい、退去もしてくれないケースです。
今の日本は入居者に優しいので、数ヵ月家賃を滞納をしても簡単には追い出せません。追い出せたとしても、室内に残った荷物を処分することもできず、管理・保管する手間や費用も発生します。入居者トラブルが長期化してしまうと解決するまで次の募集ができず、その間家賃収入が途絶えてしまします。
家賃保証会社を利用していたとしても、多くの場合保証期間が決まっています。保証期間が無制限の場合は委託手数料が高くなるので、結果的にキャッシュフローを圧迫します。
不動産投資は複数室保有でリスク分散とリターン増加を狙う
複数室を保有することで、1室に空室やトラブルが発生した場合も、他の部屋の家賃収入でその損失の一部を補うことができます。
1室のみ保有している状況を長期間続けるのはリスクが高いので、複数室保有することでリスクを分散し、リターンを増やしていくことが大切です。
初心者向けとして検討されることの多い区分マンション投資ですが、上記のように1室のみ保有することで起こり得るリスクもあります。敷居が高いと感じるかもしれませんが、RC造などの1棟物件の場合、頭金や融資金額は増えるものの、複数室を保有することができるので、結果的にリスクが減り、リターンが増えるというケースも多いです。
区分マンション投資だけに絞り込まず、選択肢の1つとして1棟物件も検討してみてはいかがでしょうか。(提供:YANUSY)
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