一国一城の主になって、自分の判断で物事を進めていきたい。こう考える人は、誰かをサポートする仕事である看護師の中では少数派かもしれません。しかし独立すれば理想の職場づくりや本当にやりたい仕事を追求できます。そこに上司や同僚とのしがらみなどはありません。一例として次のような選択肢を紹介します。

看護師の独立といえば訪問看護ステーション

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(画像=Giovanni Lovel/Shutterstock.com)

看護師は師士業の一つです。法律で認められたこの業種はサムライ業とも呼ばれます。独立開業のために資格を取る人も少なくありません。弁護士や医師、税理士などで、開業当初から高収入を得て成功する人も多くいます。

それに比べて病院などの医療現場で働く看護師は、一般的には独立開業というイメージが少ないでしょう。もちろん医師免許がなければ診療所を開設することはできません。

看護師が最も独立しやすいのは訪問看護ステーションです。仕事の内容としては、病気や障害を持つ人のところを訪れ、医師の指示書にもとづいて看護サービスを提供します。具体的には体温や脈拍のチェック、食事や排泄などの介助、人工呼吸器のような医療機器の管理、点滴や注射、薬の指導などです。

訪問看護ステーションの数は年々増えています。そのペースは2011年から2015年の5年間に1.4倍。約5万人の従業員のうち、看護師と准看護師が占める割合は7割ほどです。

開業にはさまざまな条件があります。まず法人を設立しなければなりません。これが他の師士業とは違うところです。さらに一定の人員数や設備などを用意し、都道府県知事の指定を受け、介護保険の適用事業所として認められる必要があります。

独立といっても、最初から最後まで一人で開業できるわけではありません。人員数の縛りがあるからです。常勤の職員が一人いれば、他はパートやアルバイトでも構いませんが、常勤換算で2.5人は必要です。看護師時代の同僚や学校の同期などに声をかけるのもよいかもしれません。

助産師は助産所を開ける

看護師と同じ法律にもとづいた資格である助産師は、比較的独立開業がしやすい職業です。

お産の手伝いや母子の健康をサポートする小規模な施設は助産所と呼ばれ、個人で開業しているところもあります。いわゆる産婆さんを今風にしたイメージです。

独立している助産師の数は決して多くはありません。東京都には日本助産師会に加盟している助産所が70件以上あります。厚生労働省の調査によると、2013年時点で助産師の数は全国で3万6,395人。そのうち1,801人が助産所で働いています。就業者の割合としては5%ほどと少ないのですが、地域に密着したサポートで存在感を示しています。特に自宅分娩の際には頼れる存在です。

助産所を開設するためには都道府県知事への届け出が必要です。入所施設を設ける場合には、事前に許可を受けなければなりません。入所できる妊婦さんの数は10人以下に限られています。

助産師になるためには、看護師の資格を取った後に少なくとも1~2年間、大学などの教育機関で学ぶ必要があります。独立を狙うなら早めに計画を立てましょう。

ダブルライセンスで希少価値の高い自営業者へ

あるいは発想を変えて、別の分野にチャレンジするという方法もあります。看護師としての経歴を付加価値として利用するのです。

例えば社会福祉士の資格を取り、医療や介護に強いソーシャルワーカーとして活躍するというのはいかがでしょうか。

また、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)は自宅でも開業しやすい仕事です。国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士と民間資格であるAFP・CFPがあり、どちらも独学しやすいので、働きながらでも取り組みやすい資格です。独立してからは保険や老後の健康問題など医療に絡む相談もあり、看護師としての経験を活かすことができるでしょう。

FPの仕事に興味を持つようであれば、お金について実践的な勉強をすることをおすすめします。資産運用や保険の最適化など、自分自身を顧客にしたつもりで真剣に考えてみるとよいでしょう。

※資格を取らなくてもソーシャルワーカーやファイナンシャル・プランナーの仕事はできます。

工夫すれば看護師の資格や経歴を活かして独立できる

仕事についての理想を高く持つのであれば、独立が選択肢に入ります。独立看護師の王道は訪問看護ステーションです。助産所を開業する助産師もおり、個人で開業するつもりなら有力な選択肢となるでしょう。看護の仕事だけでなく、福祉やお金を学び、看護師の経験と関連付けて活躍する方法もあります。夢を膨らませてみてください。(提供:Medi Life

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