今週の総括
★米株安・長期金利低下に連動して、円高・株安の流れが国内市場にも波及
今週の日経平均は、祝日明けの米国市場が軟調となるのに歩調を合わせて下落基調となった。
注目された日米首脳会談は、貿易協議で特に日本にマイナスとなるような発言もなく、金融市場にとっては、無難に終了したと言える。一方で、欧州では英メイ首相の辞任や欧州議会選で中道2派が過半数割れとなったことを受けて市場全体に市場心理が後退し、欧米で長期金利低下が進み、祝日明けの米国株式市場も下落で始まった。ドル円も再び1ドル109円台となり、日経平均も週半ばから下落基調に転じた。米中貿易摩擦に関する報道・発言や、米国の対メキシコ追加関税も市場心理後退要因となったと考えられる。
業種別にみると、石油株が唯一上昇、電気機器、保険、非鉄、商社などの下落率も小さかった。一方、食品、医薬品、不動産、電力・ガスなどの下落率が大きい。円高・原油安の中で逆の動きにも見えるが、どちらかと言うと先週の反対売買の傾向が強く、先週の下落率が大きい業種は今週あまり売られず、先週は堅調だった内需系の業種が今週は売られている傾向だった。
来週以降の見通し
★反転の兆しはまだ見出しにくい
日経平均想定レンジ 20,000~21,500円
来週の日経平均は、引き続き欧米のニュースに一喜一憂しながらも、弱めの動きが続きそうだ。
金融市場にとり、来週に注目される大きなイベントはない。次の材料の候補は、大阪開催予定のG20とOPEC総会と、それに向けた各国要人の発言あるいは具体的な施策の発表だろう。しかし、どちらも6月最終週の開催予定であり、それまでは各国の駆け引きが続き、報道ごとに株価が一喜一憂する可能性があるものの、何がしかの方向性がすぐに見える訳でもないだろう。企業の決算発表は、日米ともに7月に入ってからだ。 米FOMC次回会合の議長会見は6/19とこれもまだ先になる。しばらく新たな材料が無い中では、株価反転のキッカケはつかみにくいだろう。
一方で、企業業績は2017年ほど上向きではないが、安定している。日経新聞の集計では、3月期決算企業の今期会社予想純利益は全体で1.4%の微減ながら、約2割の企業が過去最高益を予想している。株価の基本が各企業の業績であることを考えれば、日経平均がこのまま一気に2万円割れすることも考えにくい。 市場心理面で警戒感が強めのリスクオフ傾向となりつつも、一進一退の展開が続く可能性が高いだろう。
コラム:徒然なるままに
小中学校の屋外プールが減っているらしい。統廃合に加えて老朽化も原因だそうだ。
文部科学省の調査では、2002年度に約26,700か所あったのが、08年度に約25,500、15年度に約20,800と減少している。02年度→08年度の廃校数が2,266、08年度→15年度が3,240校あるから、08年度→15年度のプール廃止は廃校数を上回っている。
屋外プールは、利用期間が夏季に限定される割りに維持費がかかる。さらに50年以上も経てば、ボイラーの交換など大規模修繕が必要となるが、余裕のない地方財政から負担するのは苦しく、廃止を決断する自治体が増えているらしい。
都内では、校舎建て替えの際に、児童館、図書館、公民館、地元コミュニティークラブ等も同居する建物にして、地下に屋内プールを設置した小中学校が結構ある。プールは授業時間以外は民間に開放されている。プール運営も民間業者に委託されている場合も多い。昨年来、都内のプールは東京五輪の準備とかで長期修繕に入っているところが多く、私を含めて練習場所が無くなった「プール難民」が続出しているのだが、こうした小中学校のプールは大変ありがたい。平日夜は都心の小学校、土日は自宅近所の中学校などと、何か所かのプールを利用させてもらっている。
学習指導要領では必修とされているので、廃止後は近隣の他校や民間のプールを利用したりしているようだ。中には水泳の授業を民間スクールで実施、指導補助も委託した例もあるようだ。先生も付き添うがプロのコーチの指導を受ける次第。実施後の調査では児童の98%が「楽しかった」と回答したそうだ。
以前も紹介したが、最近は公園や空き地で遊ぶ機会が減ったことで、自然なケガをしない転び方が分からず、簡単に骨折する児童がいたり、サッカーを一生懸命やっているが、ボールがちゃんと投げれない子もいると聞く。水泳は全身運動で、体力だけでなく身体の動かし方など水泳から学べることも多いと思う。プールが無くなっても水泳の授業を続ける努力はぜひ続けてほしいと思う。ちなみに私は先天性の心臓病だったが、小2から泳ぎ始め、小学生のうちに自然治癒した。水泳には感謝しているし、今ではトライアスロンで海を何kmも泳ぐ一番の得意種目になっている。
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