★米国株は、再浮上。 安倍首相がイラン訪問をしている最中に、意味不明のタンカー攻撃。 これで、米国市場の資源株に買いが入り、米国株主要指数は軒並み上昇。 一方OPECは世界景気減速を受けて、原油需要の減少を想定。協調減産を維持する意向と。

★米主要株価指数の定点観測。 昨晩は資源株が上昇したほか、総じて強勢であったことは間違いなく、現時点ですべての移動平均線を上回っているのは、総合株価指数のS&P500、ダウ工業株。ジャンクボンドも、50日線を再び突破で、すべての移動平均線を上回りました。 ナスダックは50日線を上回れませんでした。 しかし、前日逆行高だったダウ輸送株、ラッセル2000小型株は、いずれも25日線を完全突破しています。 米10年国債利回りは低下し2.0910%。位置的には6月3日以降の底辺の持ち合いレンジの下限に接近。

★対中強硬論。 香港での騒乱が今後どう進捗していくかわかりませんが、米中協議再開の目途はほとんどつかなくなってきました。中国は国内締め付けの必要から、対米軟弱と見られることは一切できなくなってきているわけです。 恐らくこの調子では、20日のG20首脳会談では妥結しないでしょう。 従って、この悪材料の織り込み、出尽くしという状況になるには、G20が開催される28-29日ごろまではかかると見ていたほうが良さそうです。 その結果がどうあれ、それ以降は相場はほとんどこの問題に足を採られるということはないはずです。アメリカがG20直後に関税引き上げに踏み切れば(踏み切るはずです。すでに大統領が公言していますから)、そこでネガティブ材料ではなくなるでしょう。 ちなみに香港では16日にも再び大規模デモを開催するという話です。

★チャイナリスクの有無にかかわらず、相場はもたつく。 もっともこのチャイナリスクが無かったとしても(5月の連休中に期待通り妥結していたとしても)、現在のタイミングというのは株式相場が調整して当たり前のところだったということは、認識しておきましょう。 それは、米国企業の4-6月の決算発表前の予想修正期間(プレアナウンスメント)だからです。 これは四半期ごとに発生するアノマリーですが、今回は6月中旬以降7月初旬までです。 従って、値幅か日柄かどちらで調整するかは別として、ここで調整しさえすれば、7月第二種言うからの決算発表は、これまた業績減速・悪化という問題は悪材料としては出尽くし・織り込み済みになるのが普通です。

★本日メジャーSQ。 ポイントは、本日寄付のメジャーSQの後の相場展開です。 指数が上がるか下がるかもさることながら、物色がどういう変化を見せるのか見せないのかが課題です。

★【赤備え】戦略方針: 個別主体の【梁山泊】モデルと、日経平均という指数プレイの【巌流島】モデルでロジックの異なる仮想運用実演をしています。詳細は、「金斗運資料解説」にルールを解説しています。

【梁山泊】モデル 梁山泊】は、先述通り、個別銘柄のメインテナンスを続けます。 G20のある月末までは、米国企業のプレアナウンスメントで指数自体がそう強張ることは難しいでしょうから、個別銘柄の単独物色が続くと考えます。保有銘柄の取捨選択によるポジション管理が重要になってきます。 戦略方針は「やや警戒」を維持。キャッシュ比率を1-2割目安で心がけましょう。1357によるヘッジは今のところ必要ないと考えています。

【巌流島】モデル~ロング。 は、本日きわどい状況です。 今のところ「宝典」のルールでは1570(日経レバレッジETF)の保有という状況のはずですが、日経平均現物の6週線が21038円で、すでに昨日終値は21032円と割っています。 日経CME円建ては21000円、日経平均先物夜間取引も20990円と軟調。 SQ値の後、どう動くかで、【巌流島】でドテン反対売買をするのかしないのか、非常に微妙な状況。 今日一日、これに振り回されそうです。いずれにしろ、大引け近くぎりぎりまで、この点で頭を悩まされそうです。(提供:Investing.comより)

著者:増田経済研究所 松川行雄