★週末の米国株反落。 週末の米国株市場は反落でした。 半導体のブロードコム(AVGO)が業績見通しを下方修正しハイテク株に売りが広がったためです。5.57%の大幅な下げでしたが、ブロードコムの株価はちょうど200日線を割って、引けでは回復して終わったことから、もしかすると一過性で済むかもしれません。 なにを言いたいかというと、週報でも述べましたように、「プレナウンスメント(予想修正)」期間が始まっているということです。 決算前に警戒感が台頭するのは自然であり、値幅か日柄かはともかく、調整局面入りしてよいのです。むしろその方が、7月の決算発表時にはアク抜けするからです。
★定点観測。 反落した米国株市場ですが、半導体SOX指数を除いて、移動平均線との位置関係が変わったものはありません。ダウ輸送株、ラッセル2000小型株いずれも25日線を守っています。 半導体SOX指数だけが、ブロードコムのネガティブインパクトが広がったため、25日線を割っています。 マネー循環を示す米10年国債利回りですが、これは若干反発。6月3日以来の底辺での底練りが続いています。
★「出尽くし」シナリオの整理。 当レポートで想定している7月の「出尽くし」相場ですが、このシナリオの要点を整理しておきましょう。 ・英国のEU離脱: 足掛け3年にわたってくすぶりつづけたこの問題も、とうとう出尽くしです。 メイ首相辞任後、今のところはジョンソン氏が首相候補として最右翼であるといわれています。この場合、EUと合意ができようが、できまいが、10月末には英国は離脱を強行するということを一貫して述べている人物です。いまさら、影響は対応措置が施されているでしょうから、金融市場で問題になることは無いでしょう。 出尽くしです。 ・米中協議: 香港が不穏になってきてしまったので、当レポートが当初想定していたG20での米中首脳会談での手打ちは、ほぼ可能性がなくなりました。 従って、28-29日のG20後に、アメリカは3000億ドル相当の関税引き上げに踏み切るはずです。この後、すぐに切れるカードは知れているので、出尽くしです。 ・景気減速・業績悪化: これも、昨年絶好調の上半期対比で、今年の上半期を終えようとしています。大きな落ち込みに「見える」わけですが、今度は下半期にはいりまる。日柄が経過するにつれて、昨年減速が始まった下半期対比の経済データや業績内容ですから、発射台が低くなっており、相対的に「カイゼン」しているように見えるわけです。 従って、これも出尽くしです。
★戦略方針: 個別銘柄主体の運用は、フルポジション。今のところ、ALBERT、アエリア、FFRIで6割占める主力。 日経平均連動2種ETFで運用しているモデルについては、1570ホールド続行中。先週からくもドテン反対売買は免れたが、今週は場合によっては、1357に置き換えなければならないかもしれない。 以上(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄