不動産投資により家賃収入を得るためには、より多くの借り主に、より長く入居してもらう必要があるだろう。長く入居してもらえる物件を選ぶには、部屋の快適さはもちろんのこと、「周辺環境」が重要なポイントにもなる。物件資料だけでは分かりにくく、住んでから気付くことが多い、物件の周辺環境を事前に知るにはどうすればよいのだろうか。

物件周辺を歩いてマイナスポイントをチェック

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(写真=anju901/Shutterstock.com)

物件周辺の状況を確認するためには、実際に現地を歩いて確かめる方法が一番だ。特に居住者にとっての不満になりえるものには注意を払っておこう。

例えば、騒音に対する不満をの原因となるものとして、「幹線道路のような大きな道路近くにある」「鉄道の線路があり、日常的に電車の行き来がある」「カラオケや居酒屋などの歓楽街がある」などがあげられる。また、昼間だけではなく、朝や夜、平日・休日など、曜日や時間帯を変えて確認するようにしたい。交通量や騒音の状況が時間帯によって異なる可能性があるからだ。

騒音以外に気をつけたいのが「臭い」だろう。物件の近くにゴミ置き場や、強い臭いを出しそうな飲食店がある場合は注意しよう。なお、ゴミ置き場の悪臭は、その管理状態の良しあしに左右されることが多い。物件のゴミ置き場周辺に、ゴミが散らかっていないか、清掃が行き届いているを入念にチェックできるとよい。

また、物件近くに墓地があったり、反社会勢力のような組織・団体の施設などがあったりすると、借り主に嫌がられる恐れがある。こういった情報は物件資料に掲載されないことも多いため、念の為気を付けておこう。

隣地が空き地の物件は要注意

投資マンションの隣地が空き地となっている場合、そのマンションは日当たりや風通しが良いことが多い。窓から明るい日差しが差し込む物件や、風通しの良い物件は、借り主にとっては好条件だろう。隣地の状況は物件資料だけでなく、実際に物件の現地を見ることで、より正確な状況を確認できる。

一方で空き地にも考慮するべき点がある。購入時点では空き地で、採光や風通しの良い物件だったとしても、近い将来、隣にマンションなどの建築予定があれば、そうした好条件は失われてしまう可能性があるのだ。その空き地に「建築計画がないか」を事前に確認しておくべきだろう。

建築計画については、その物件に詳しい人から情報を得る方法が確実だ。物件を紹介してくれた不動産会社の営業マンに、隣地で建築計画が予定されていないか確認しておこう。

快適な周辺環境を探し維持する努力を

冒頭でも触れたように、不動産投資で家賃収入を得るためには、何よりも空室を減らし、今いる入居者に、できる限り長く住んでもらうことが必要だ。

投資物件を購入する際には、今回挙げたようなマイナス要素が、周辺環境にできるだけ少なく、プラス要素ができるだけ多い物件を選ぼう。特にこうした周辺環境は、自分の力では変更できないものが多い。物件の内部ばかりを確認する人が多いが、周辺のチェックも忘れずに行おう。