保険の仕事には、事務職や店頭窓口スタッフなどさまざまな職種があり、各部門の人たちが活躍しています。その代表的なものとして、セールスレディをイメージする人が多いのではないでしょうか。職場の休憩時間や自宅で、保険の新規契約・更新の手続きなどを行った人もいるでしょう。

日々いろいろな営業活動を行っている様子を見かけますが、保険営業は女性向きの職業なのでしょうか?その実態について解説します。

保険のセールスレディの年収はどうなの?

保険営業,女性
(画像=miya227/Shutterstock.com)

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」では、セールスレディの年収は平均で365万円です。事業規模ごとの年収は以下の通りになります。

・10~99人規模の事業所:331万円
・100~999人規模の事業所:460万円
・1,000人以上規模の事業所:365万円

セールスレディの平均年齢は45.7歳、月収の平均は26.3万円です。2018年の45~49歳の女性の平均月収は26.9万円ですので、0.6万円の差があります。

セールスレディの収入は主に、新規契約手当、契約継続手当、育成手当、などによって決まります。毎月2~3本の契約を取り続けて、その契約が一定期間継続することによって、月々に分割された契約手数料が受け取れる仕組みです。1つ1つの契約ごとの手数料が積み重なって、給与に加算されることになります。

毎月の契約数だけでなく、何件の契約を保有しているかによっても給与が変わります。加えて、後輩の指導も必要になります。

ノルマがきついし、3年もたないって本当?

セールスレディの仕事は入社後に基礎研修を受けて基本的なことから勉強します。特別な資格がなくても始めることができ、転職のハードルが比較的低いのが特徴です。しかし、ノルマがきつくて離職率が高いといわれています。

前述した調査では、セールスレディの勤続年数は10.1年となっています。セールスレディの雇用形態は“正社員”で、健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険などの社会保険にも加入しています。

ただ、一般的な会社員と異なっているのは、仕事に必要な交通費・交際費などは自分で支払うことになっているところです。必要経費として控除することが認められているので、年末に保険会社からもらう源泉徴収票や支払調書をもとに確定申告を行います。

給与体系は、基本給や保険金・給付金の支払いなどの手続き、契約内容の説明や提案業務による固定的給与の部分もありますが、大きな割合を占めるのはやはり保険販売の実績によるものです。

手数料は、一定期間に分割されて受け取るので、数年たつとそれまでの保険契約の分割された手数料が毎月受け取れます。ただ、始めてからしばらくの間は、給与の額が毎回の契約数によって、大きく左右されることになります。

お客さまを訪問してすぐに保険契約となるケースばかりではないので、粘り強い姿勢が要求されます。粘り強くかつ相応の業務量をこなさなければ、一定の給与を受け取ることができないことが“3年もたない”といわれる理由です。

保険の営業職で成功できる人の特徴

難しいといわれている保険の営業職ですが、成功できる人にはどんな特徴があるのでしょうか。

明るい人

よくしゃべる人もいればあまりしゃべらない人もいますが、「笑顔で楽しそうにしている」「話しかけやすい」など、成功している人には明るい印象の人が多いです。

コツコツ努力する人

保険の営業職の場合は、飛び込みやテレアポ、ポスティングなど新規開拓のための地道な営業活動が必要になります。設定したスケジュールをコツコツ毎日継続できる人は、成果につながっています。

営業という仕事を楽しむことができる人

「家族を安心させたい、もっと喜んでもらいたい」など、何が自分のモチベーションになっているのかをはっきりとさせて、「稼ぎたい」という気持ちだけではなく、仕事を楽しんで続けようと心掛けている人が多いのも特徴です。

大変な仕事だからやりがいも大きい

セールスレディの仕事は、契約につながらないと収入は低くなり、毎月の給与が安定しない側面があります。信頼してもらえる場面ばかりではなく、「セールスレディ=しつこく勧誘される」と思われて、話を聞いてもらうこと自体が難しいことがあります。例えば、電話をかけても出てもらえない、待ち合わせの時間になっても誰も来ない、などという状況です。

しかし、セールスレディは未経験でも始めやすく、頑張れば頑張るほど収入がアップするという給与体制になっています。育児との両立がしやすい面がありますし、「ライフプランを提案する」「困難な状況に直面した顧客に寄り添う」などの対応で感謝されることも多い職業です。保険商品や社会保険について勉強することによって知識も身につきます。

厳しさもありますが、やりがいや収入アップも見込めますので、転職しようと考えている人は自分に合っているかよく見極めて、チャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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