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1986年以降、市場経済システムの導入と対外開放化を柱としたドイモイ(刷新)路線を継続、外資導入に向けた構造改革や国際競争力強化に取り組むベトナム。2013年のGDP成長率は5.4%、若年人口が多く成長市場として期待されています。

ベトナムと言えば、ハノイやホーチミンなど大都市を中心に、道をうめつくす二輪車の群れが有名です。しかし、経済成長とともに、二輪車から四輪車に乗り換える人が増加しているということ。とはいえ、庶民にはまだ高嶺の花。そこで、中国メーカーがこの市場を見込んで、格安自動車を投入しましたが、予想に反して売れ行きが芳しくないとのことです。

中国メーカー奇瑞汽車の「チェリーQQ3」は、排気量0.8リットルの3気筒エンジンで、パワーステアリング、パワーウィンドウ、集中ドアロックの他、CD・MP3プレーヤーやUSBスロットまで装備した同車種の販売価格は1億9500万ドン(約96万円)。12年の販売台数は146台で新ブランドとしては好調な滑り出しだったが、翌年の販売台数はわずか1台。その後がまったく売れていないようです。

その理由は簡単です。値段が安い代わりに故障が多く、アフターサービスの負担が大きすぎるのです。中国メーカーに続き、印「タタ」も格安自動車の投入を計画していますが、「安かろう悪かろう」では消費者に敬遠されるでしょう。

そこで、日系メーカーの躍進に期待したいところ。日本車の品質はすでに折り紙付き。アフターサービスも、アジア各地で行われているD・パワーの調査などで高評価を得ています。課題は価格面で、同国は都心か地方かにより所得の差が激しいですが、月収2万円〜15万円程度の同国の所得の伸びが続けば、充分競争力はあります。

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