投資に興味がない人でも「投資信託」という言葉は聞いたことがあるはずだ。投資信託とは何なのか、資金はいくらあれば始められるのかなど、今さら聞けない投資信託の基本をおさえておきたい。

投資で目にする投資信託とは何なのか?

投資信託,とは
(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

投資信託とは証券会社や銀行などの金融機関で買うことができる金融商品の一種である。

投資信託は投資家から集めたお金をまとめて大きな資金にし、投資・運用の専門家であるファンドマネージャーがさまざまな資産に投資し、利益を得ることを目的に運用される。

ちなみに投資信託を取引する値段は「基準価額」で、単位は「口(くち)」と呼ぶ。

投資信託にはインデックス型やアクティブ型、バランス型などの種類がある

投資信託で投資する資産としては国内や海外の株や債券などがある。投資信託は投資対象や運用方針によっていくつかの型に分類できる。そのうち代表的なものが、インデックス型、アクティブ型、バランス型である。

インデックス型は日経平均株価やダウ平均株価などのインデックス(市場の動向を表す指標)への連動を目指して運用される。対象のインデックスが上昇すれば投資信託の基準価額が上昇し、インデックスが下落すれば基準価額が下落する。

アクティブ型はインデックス型よりも高い投資成果を目指して運用される。ただしアクティブ型がインデックス型よりも良い投資成果を残すとは限らない。

バランス型は国内や海外の株式・債券・不動産投資信託などの複数の資産に分散投資して運用される。分散投資によりリスクを抑えることが期待できる。

投資信託はポイントでも買うことができる

投資信託は金融商品なのでお金を払って買うものだが、ポイントを利用して買うこともできる。

楽天証券の「投資信託ポイント投資サービス」では、楽天スーパーポイントで投資信託を買うことができる。ポイントが貯まっていたら試しにポイントで投資信託を買ってみてもいいだろう。

またポイントを利用して投資信託への投資を擬似体験できるサービスもある。NTTドコモの「dポイント投資」は、dポイントを使って投資信託での運用を擬似体験でき実際にポイントが増減する。同様のサービスとして、セゾンカードの「永久不滅ポイント運用サービス」やauの「au WALLET ポイント運用」などもある。

投資信託の3つのメリット

投資信託のメリットは「少額からの投資」「プロによる運用」「分散投資」だ。

少額からの投資とは、ネット証券などでは100円からの投資も可能なことだ。子供のお小遣い程度の金額から投資できるため投資初心者でも始めやすい。

プロによる運用とは、投資・運用の専門家であるファンドマネージャーが運用してくれることだ。投資初心者にとってはそれほど投資の知識がなくても投資のプロに任せることができるのはありがたい。

分散投資とは、投資を分散させて価格変動リスクを低減させる方法である。分散の対象となるのは「商品」「地域」「時間」だ。

商品は株や債券などを組み合わせ、地域は先進国や新興国を組み合わせ、時間は購入する時期を分散することで分散投資ができる。分散投資することで投資リスクを低減することができ、特定の資産が極端に値下がりしても全体では値下がりを抑える効果を期待できる。

投資信託の2つのデメリット

投資信託のデメリットは「元本割れの可能性」「手数料」だ。

元本割れとは、投資した金額よりも投資信託の評価額が下がってしまうことで、換金すると損失が出ることだ。元本割れの可能性があることはリスクになるが、リスクは投資で利益を生むために受け入れるべきものである。

手数料とは、購入する際にかかる「購入時手数料」や、保有している期間にかかる「運用管理費用(信託報酬)」、投資信託によっては換金時にかかる「信託財産保留額」などがある。特に信託報酬は長期投資において結果を大きく左右することもあるのでチェックしたい。

投資信託はポートフォリオを組むことから始まる

投資信託が投資する資産は、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券などがあり、これらの資産の組み合わせと比率を「アセットアロケーション」と呼ぶ。

株と債券を比べると、債券の方が低リスクで大きな損失は発生しにくいが、大きな利益も得にくい運用になる。株は大きな損失が発生することもあるが、大きな利益を得ることもある。つまり株の比率を高めればリスクが高くなり、債券の比率を高めればリスクが低くなるのだ。

アセットアロケーションが決まったらそれに合う投資信託を選ぶ。投資信託などの金融商品の組み合わせを「ポートフォリオ」と呼ぶ。

初心者はロボアドバイザーの利用やバランス型投資信託にしてもいい

初心者がいきなりアセットアロケーションやポートフォリオを決めるのは簡単ではない。そんな時はいくつかの質問に答えるだけでアセットアロケーションやポートフォリオを提案してくれるロボアドバイザーを利用するといいだろう。

ロボアドバイザーとは投資診断や投資アドバイス、売買の代行などをしてくれるサービスのことだ。投資信託のロボアドバイザーには「りそな投資信託ロボアドバイザーGuide!」などがある。

また一つの投資信託で分散投資ができるバランス型を選ぶのもいいだろう。ただしバランス型は信託報酬が高い傾向にある。自分でアセットアロケーションを決められるようになったら、個別の資産への投資に特化した投資信託の組み合わせに変更した方がいいかもしれない。

投資初心者であれば投資信託を少額から始めてみる

投資の基本は余裕資産で行うことである。投資はリスクを負って行うものであり、損失を出すこともあるため、生活費を投資に使うことは避けたい。

投資初心者は投資リスクを正しく把握できていないことがある。少額の投資であれば損失が発生しても損失額も低いため、投資信託の購入を少ない金額から始めてみるといいだろう。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)/MONEY TIMES

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