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今週の総括

★結果的に小動きだが、円高・金利安・金価格高は継続。特に金上昇は気になる動き

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今週の日経平均は、狭い範囲での値動きに留まり、前週末比ほぼ横ばいで引けた。

前週の米FOMCで利下げの可能性が示されたことで、数週間前から続く米利下げ期待が「追認」された形となり、米長期金利安と円高がそのまま継続している。先週後半から今週にかけては、さらに金価格が急上昇し、リスクオフ・ムードが一段と高まった印象。

原油価格が6月半ばの1バレル51~53ドルから59ドルまで上昇しているが、これも米政府の対イラン追加制裁に伴う緊張の高まりを反映している印象が強い。その中で、NYダウもS&P500も史上最高値圏まで再び上昇しており、国内株価の下支え要因となっている。

業種別にみると、機械、鉄・非鉄、電機・精密、自動車などの上昇が目立ち、海運、銀行、石油株も上昇した一方で、不動産、電力・ガス、陸運、建設、通信などが下落している。一般に、1週間ごとに強弱が入れ替わることが多いが、今回の動きは6月通して続いている。

輸出・ハイテク関連業種の多くは5月に大きく下落していたため、6月を通して見直し買いが続いている印象。円高となっても買いが続いている点が注目される。

来週以降の見通し

★当面は上値は限られるか

日経平均想定レンジ 20,500~21,800円

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来週の日経平均は、引き続き様子見モードが続く可能性があるだろう。

G20での主要国の動きが注目されているが、こうした国際的政治イベントをキッカケに株価が動くことは、実際には多くはない。共同宣言などは事前に各国間で協議・調整されていることや、結果的に無難な内容が多いこともあるだろう。

今回の場合は、米中通商協議やイラン情勢など、今の金融市場の重しとなっている複数の問題について、事前に想定していない新たな動きが出てくる可能性は低いと見られる。そう考えれば、G20終了後に市場が動き出す可能性もそう高くはないだろう。

ただし、リスクとして気になるのは、米国とイランの動向。意図的・アクシデントに関係なく、何かあれば市場の緊張は一気に高まる。あとは29日に予定される米中首脳会談の結果と終了後の両国の動きは当然注目されるが、トルコ情勢も混迷し続けているし、北朝鮮問題もまた何か動きがあるかもしれない。 7月に入ると、小売業主体の2/8月期決算企業の決算発表が始まる。米主要企業の四半期決算も出てくるし、国内主要企業の1Q決算発表や次回米FOMCがある。内容次第で新たな方向性が出てくるかもしれない。

コラム:徒然なるままに

梅雨の時期は、当然ながら傘を持つ人が多いが、危ない持ち方の人が結構いる。

気になるのが、手提げカバンとともに横または斜めに持つ人、そして歩く際に傘を持っている手(腕)を大きく振っている人。特に危ないと感じるのは、登り階段で彼らの後ろになってしまった場合。傘を持つ手は本人の腰の高さだが、階段の後ろの人にとっては顔の高さに近い。顔や目に突き刺さるかもしれない恐怖を感じる。

そして残念なことに、横持ちの人も手を振っている人もまず無意識なので、自分の傘が後方の人に対してどういうポジションになっているかは全く気付かないし、手を振っている人の場合は、手が動いていることすら気付いてないだろう。

危ない傘持ちの問題は、本人が無意識・無自覚であること。「後ろの人が危ない思いをするような持ち方なんて、まさか自分がしてるはずはない」と思っているのではないだろうか。「してない」はずだから、治る見込みは低い。困ったものだ。

歩きながらスマホは自覚がある点が異なるが、実はこれもまた自覚と実際が違う点に問題があると思う。本人は、チラリと前を見ていて、前方の人や柱にぶつかることは無い。だからついでに壁のサイネージ広告も目に入っていたりする。しかし、意識の大半がスマホにあるため、横や後方への意識が通常よりかなり低い。

ながらスマホで早足で歩いている人が目の前で突然直角に曲がり、ぶつかりそうになった経験は無いだろうか。私はかなりの頻度でよくある。彼らは前方の人を追い抜くまでは意識しているのだが、抜いた瞬間に意識から消えるため、その人が引き続き歩いていることに気付かずに直角に曲がるのである。普通に歩いていれば、後方の人の気配が残っているから、人前を横切るような曲がり方はしないだろう。

ヘッドホンしたまま歩いたり自転車に乗る人も同じ。自分が思っている以上に、周りの気配に気づけていない。車で歩道の無い道を運転していて、前にそうした歩行者や自転車がいると、いかにもこちらに気づいてなくて危なっかしい。ある調査では、傘の危ない持ち方も、ながらスマホも年代は関係ないらしい。みんな気を付けよう。

田村晋一,松井証券
松井証券ストラテジスト 田村 晋一(たむら しんいち)
京都大学経済学部を卒業後、太陽神戸三井銀行(現三井住友銀行)に入行。米国MBA 留学、外資系大手コンサルティング会社勤務等を経て、UBS 証券、ドイツ証券、バークレイズ証券にて銀行セクター担当アナリストとして豊富な経験を積み重ねる。

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