金融庁が公表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」によると、2018年にスタートした「つみたてNISA」の口座開設数が、1年で100万口座を超えた。急速に利用者が増えているつみたてNISAだが、自身でも申し込む前に、押さえておくべき金融機関と商品選びのポイントを知っておきたい。

つみたてNISAの基本的な仕組み 運用益は非課税

つみたてNISA,金融機関,商品選び
(写真=namtipStudio/Shutterstock.com)

つみたてNISAとは、長期間の積み立て分散投資を後押しする非課税制度だ。通常、投資信託などの投資によって得られる分配金や売買益には、20.315%の税金(所得税・住民税・復興特別所得税)が課せられるが、つみたてNISA口座で購入した投資商品から得られた運用益については非課税となる。

つみたてNISAは日本在住の20歳以上の人を対象とし、1人につき、1口座のみ開設が可能となっている。1年間の投資上限は40万円で、非課税期間は最長20年。つみたてNISAの対象となる商品は、長期の積み立て分散投資に適した一定の投資信託に限られる。金融機関によって提供する商品が異なってくるため、つみたてNISAを申し込む際は、事前にどのような商品を提供しているかを確認する必要があるだろう。

金融機関選びのポイント2つ 商品ラインアップとサポート体制

つみたてNISAを始める際、銀行や証券会社など、数ある金融機関から一つを選ばなければならない。選ぶ際に大事にしたいポイントは二つある。一つ目は「バラエティーに富む商品ラインアップが提供されているか」、二つ目は「充実したサポート体制が整備されているか」だ。

前者の商品の種類については、対象となる投資商品が豊富であるほど、自分自身のリスク許容度や投資環境にマッチした商品を選択しやすくなるため、比較的商品数が多いところを選びたい。また、後者のサポートについては、初心者にも申し込み方法や商品購入方法などを分かりやすく丁寧に教えてくれる金融機関がよいと言えるだろう。例えば、土日にコールセンターが対応している金融機関は、平日仕事で忙しいサラリーマンにとって心強い味方になる。

商品面とサポート面の2面だけで金融機関を決めきれないという場合は、キャンペーンを比較するのもよい。つみたてNISAの口座開設にともない、金融機関はさまざまなキャンペーンを実施しているのでチェックしてみよう。

商品選びの最も大事なポイントは「信託報酬」

つみたてNISAの対象商品は、160本の投資信託と3本のETF(上場投資信託)である。この中から自分自身のリスク許容度にマッチした商品を選択する。そして、「運用益が非課税」というつみたてNISAのメリットを最大限に生かすには、20年にわたる非課税期間をフルに利用する方法がよい。

長期間にわたり投資信託を運用する場合、商品選びの大きなポイントになるのが「信託報酬」だ。信託報酬とは投資信託の運用経費のことで、投資信託を保有している間、長期的にかかるコストである。

例えば、つみたてNISAの対象商品として人気の高い「eMAXIS Slim」を開発・運用する三菱UFJ国際投信のシミュレーションによると、同じ条件で10,000円、利回り3%で運用をスタートした場合、信託報酬が年1%の場合と、年0.189%の場合とでは、20年目に25.5%もリターンに差が生じるとの結果が出ている。信託報酬のわずかな差が、運用パフォーマンスにどれほど大きな影響を与えるかが分かるだろう。

購入を検討している投資信託が決まっているのであれば、類似タイプの商品も含め、信託報酬を必ずチェックしてほしい。各投資信託の信託報酬は、各証券会社や金融機関のサイトでもチェックすることができる。

自助努力での資産形成が求められているといわれる時代になった。運用益が非課税となるつみたてNISA制度を活用すれば、投資初心者でも比較的容易に効率的な資産形成を実践できるだろう。これらのポイントを参考に、つみたてNISAの利用を検討してみてはどうだろうか。

>>【無料eBook】「大富豪」と「一般人」の13の分岐点