金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査」(平成30年)によると、40代の2人以上世帯で金融資産を保有していない割合は22.6%になる。40代は出費が機会が多くなることが一員だと考えられる。はたして、40代は何にお金を使っているのだろうか。

40代の20%超が貯蓄ゼロ!教育費用や住宅関連費用が負担に

30代,資産運用の基礎
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

先ほどの調査によれば、40代で金融資産を保有していない世帯は20%を超えていたが、30代は17.5%、50代は17.4%となっている。40代は子供の教育費用や住宅関連費用など、多岐にわたり、かつ高額な出費が控えているからだと考えられる。

例えば、教育費について見てみよう。文部科学省が公表した「平成28年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高等学校まで、すべて私立に通わせた場合、学習費総額(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)は合計で400万円を超える。さらに同省の「平成29年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、私立大学文化系学部の初年度費用(授業料、入学料、施設設備費)は116万円ほど、理科系学部は150万円ほどかかる。こうした教育費以外にも、住宅ローンや趣味などへの出費が発生しているはずだ。

また豊かな老後に備えるべく、コツコツと貯蓄を行わなければならない年代でもある。40代に予想される多額の出費や老後の備えに対し、資産運用は30代から始めておきたい。

資産運用でポピュラーなのは株式と投資信託

資産運用といっても、銀行の定期預金や個人向け国債で大幅に運用益をあげるのは難しいといえよう。現在の日本は超低金利だ。例えば、個人向け国債の利率は年0.05%ほどであるため、100万円預けても、運用収益は年間で500円程度である。

初心者でも取り組みやすく、ある程度の利益が期待できる投資商品としては、「投資信託」と「株式投資」が挙げられるだろう。

投資信託のメリット・デメリット

投資信託は、多くの投資家からお金を集め、それをまとめて資産運用のプロが株式や債券などに投資をする金融商品だ。運用パフォーマンスが良ければ、投資金額の割合に応じた利益を得られる一方で、運用がうまくいかなかった場合は、投資した元本が減ってしまう仕組みである。注意したいのは、銀行預金と異なり、元本が保証された金融商品ではないということだ。

投資信託の大きなメリットのひとつは、投資のプロに資産運用を任せられる点だろう。100円や1,000円から始められるなど、少額投資が可能で、各人に合わせた資産運用が可能だ。最近では「楽天スーパーポイント」のようなポイントで、投資信託を購入できるサービス(楽天証券)も開始されており、投資信託に投資するハードルは低くなってきているといえそうだ。

株式投資のメリット・デメリット

「株式」とは、トヨタ <7203> やソニー <6758> 、ソフトバンク <9434> といった企業が、事業を営む上で必要となる資金を確保するために発行するもので、投資家はその株式を購入し、配当金などの権利を得る。

株式投資の最大のメリットは、株価が値上がりした際に売却すれば大幅な利益を狙えることだろう。毎年の配当金や、企業によっては株主優待として物品を受け取ることができる。一方、株式投資では株価が下落すれば、大きな損失を被るリスクもあるため、知識と経験を十分に積むまでは、投資信託と同様に少額で運用するのがいいだろう。

人生100年時代。資産形成が早すぎてダメということはないのだ。40代の生活を実りあるものにするためにも、30代からコツコツと資産形成を始めるべきだろう。