★米長期金利上昇で株高へ道を開いたか。 総合株価指数S&P500と、グローバル指数ダウ工業株の二つは、昨晩再び最高値更新。 決算発表前のプレアナウンスメント、そして月間のアノマリーでやや調整したものの、決算発表シーズン幕開けとともに、いきなり上昇色を強めました。 米10年国債利回りは、2.12%へと大きく上昇(国債が売られ、価格下落)し、25日線を完全突破。50日線に迫っています。 長期金利上昇を伴う株高に道を開いたかもしれません。要するに連銀による金融緩和への政策変更がこれで「出尽くし」というシナリオが現実のものになり始めているかのようです。

★二つの重要指標もセーフ。 一番重要なのは、先行指標のダウ輸送株指数とジャンクボンドです。 輸送株指数は前日すべての移動平均線を割り込みあわやと思われましたが、昨晩は逆に一気にすべての移動平均線を抜き返しました。 また最大のリスク指標のジャンクボンドは、長期金利上昇を受けて、利回りの妙味が縮小するということなのでしょう、昨晩は下落。ただし一時は25日線割れとなったものの、最終的には25日線上を維持して終わっています。しばらく国債利回りが上昇するのであれば、相対的にジャンクボンドの高利回りの魅力が後退するため、当初は売りが出やすいのでしょうが、その結果ジャンクボンドの利回りも上昇してくるわけですから、ジャンクボンドが値崩れをするという可能性は低いだろうと考えられます。 この先行指標とリスク指標が、ともかくも移動平均線をすべて上回っている以上は、戦略方針としてはフルポジションに戻して良いでしょう。

★すべて逆行現象。 株が上がるかどうかは、その対極に位置しているものが、反転するかどうかが一つの傍証になります。 たとえば、東証REIT指数です。これは明確なRSIの逆行現象。東証REIT指数が高値をとっている中で、勢いを示すRSIはむしろ切り下がっているわけです。上昇の勢いが漸減しているわけで、早晩REITが反転・反落することを示唆しています。 同じことが、米10年国債利回りにも言えます。これは、年初来最低水準を割っていったにもかかわらず、逆にRSIは切りあがっていました。早晩長期金利上昇が出てくるはずだ、と以前から述べている通りです。これは2年国債利回りについても同じことがいえます。 このほか、ドル円相場もそうです。ドルが対円で直近安値を更新していったにもかかわらず、RSIは切りあがるという逆行現象です。ドル高がは発生してくることになります。 金先物も同じ。直近の高値をとってきた過程で、なんとこれもRSIが逆行現象で切り下がり。 つまり、株が調整気味という中で、動いていたこれらの指標ほとんどすべてに、RSIの逆行現象が見られます。ということは、逆行現象が現実ともなれば、これまで調整気味だった株式指数は、反対に上昇に転じるということになるわけです。 さて、このRSIの逆行現象の株価上昇予告は、当たるでしょうか。

★トランプ政権の攻勢が止まらない。(割愛)

★上半期のマクロ底入れは、不発。(割愛)

★REITが高い~私見では追いかけたくない。(割愛) ★HISの、ユニゾTOBのバリュー投資。(割愛)

★戦略方針: 日経CME円建ては21610円、日経平均先物夜間取引は21600円。昨日の現物指数終値は21643円ですから、ほぼ戻ってきている格好です。 後述するように、戦略方針はフルポジションに戻します。ただ週末ですし、個別銘柄の物色がどう変わっていくか不透明です。とくに本日はSQです。これを経過して、一番相場がダレやすい後場に何が強く、動意を見せてくるかそこに注目しましょう。 昨日大三元点灯したような銘柄で、こうしたものがあればそれは投資対象として来週の相場につながる動きだと判断できます。 (その他仮想運用モデルのポジション管理、銘柄スクリーニングなどは割愛) 以上

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著者:増田経済研究所 松川行雄