★米国株は全体に小幅高。 週明けの米国株市場は、全体に小幅高でした。軟調に終わったのはラッセル2000小型株指数のみ。同指数は6月18日以来の横一線の持ち合い水準から次第に下放れ始めています。小型株へのリスク選好が後退し始めているということです。 逆に半導体SOX指数のような先行業種は大きく続伸。 ダウ輸送株も小幅に続伸。こちらは勢いがありません。同じ先行指標でも、半導体だけが勢いがあるという感じです。 ビッグネームの決算が目白押しの今週、市場のセンチメントは様子見気分のようです。 おそらく株価指数の底流にある意識としては、このラッセル2000小型株指数が実勢に近いと思われます。上述のように、6月18日以降の膠着状態からやや後退気味なのが気になります。

★リスク認識。 金先物が上がりません。こちらは6月23日ごろから以降、ほとんど高原状態でなかなか上にブレイクしてきません。「リスクあり」とも踏み切れないでいるようです。 ジャンクボンドは反発したので、ラッセル2000のように6月18日以降の高原状態から下割れするような事態は、一応昨晩は回避。持ち合い続きです。 マネーの循環を示す米10年国債利回りはこの3日ほど25日線ぴったりで横這い。2.043%です。 これも6月18日以降、横一線の底練りといっていいでしょう。 VIX指数がやはり6月18日以降は、14.3前後を中心値としてほぼ底練り続きであることから、プットの買い積み増しが増えているようには見えず。 このように、ラッセル2000、ジャンクボンド、長期金利、金先物、VIXと、どこを見ても、おおむね6月18-23日以降、ずっと膠着状態が続いており、ある種のエネルギーが蓄積されつつあることが想像できます。これが、どちらに放出されるかということになります。

★つきつめれば、結局債券。 要するに、この膠着状態の後、どう変動するかということでは、つまるところ債券ということになるのでしょう。 一番巨大なマネーが動く債券市場で、マネーというものがここからさらに国債を買う動きになるのか(リスク回避、相対的に債券利回りが優位と考えるか)、それとも債券をいったんここで益出し売りをするか、ということです。 リスクの認識が強まれば前者ですし、秋のファンドの損益通算期限に向けて益出ししたほうが有利だと判断すれば売ってくるでしょう。 そこで、景気後退のリスクを深刻に考え始めれば一段とそこから債券買いになるので利回り低下=株は下がるのでしょう。逆に、景気後退リスクにまで認識が行かなければ、まずは債券の益出し売りとなり、利回り上昇=株は楽観論に傾斜して上昇になる、というのが、おそらく一番素直な反応のように思います。

以下、「半導体の見通し」、「日米貿易協議のテーマ」、「安倍首相の専権事項、衆院解散というカードの使い方」、「ポジション管理と銘柄スクリーニング」などは、「一粒萬倍勉強会」を参照。

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著者:増田経済研究所 松川行雄