★債券が売られた。 米国株主要指数は軒並み上昇。主要3指数は高値に迫っています。ダウ工業株は、コカ・コーラKOが6%の高騰で、牽引。史上高値更新も目前です。 要するに債券が売られたのです。米10年国債利回りが25日線上に浮上しました。もちろん6月18日以降の揉み合いが続いており、このレンジから上放れたわけではありません。 昨晩、株価指数・ジャンクボンドいずれも高く、逆に金先物、VIX指数などは軟調で債券が売られたのと同じ歩調です。 唯一移動平均線を下回っているラッセル2000小型株指数も反発で、25日線まで戻った格好です。突破はできていません。

★どこかの時点で、債券売りが加速するか。 膨大な債券投資をしている市場参加者が、結局のところ今年後半の損益通算期限に向けて、自分のポジションを債券持ち切りで、(あるいはここからさらに買い増しして)いきたいのか、それとも利益確定をしていきたいのか、という彼らの懐事情が大きく作用するということです。 後述しますような連邦債務の拡大が「約束」されてしまったようなわけですし、米国企業決算がそもそも出尽くしが出来レースであることを考えれば、債券のロングポジションが外されていくことはほぼ自明だと思っています。いつそれが大規模に起こるかということなのだろうとは個人的には思っているわけです 問題があるとすれば、そのとき利回り上昇を受けて、株もそれを嫌気して下がってしまうか、それとも景気の再浮上だと手のひらを返して上がってくれるか、という点です。

★ミクロ、出尽くしへ。 米国企業の決算ですが、S&P500採用銘柄ではどうも現時点では1%増益になってきているようです。2四半期連続で減益予想が、ずっと続いていたのですが、決算発表が進捗していくに伴い、やはり数値の改善がみられています。 以前も指摘しましたように、事前に相当の予想引き下げがなされていたはずですから、そもそも発射台が低いのです。ましてや下半期については、昨年業績悪化が加速した下半期対比ですから、後になればなるほど、「改善基調」に見えてきて当然だということです。 すでに発表されている4-6月期の決算について、80%の企業が予想を上回ったようです。

★米中協議再開。 センチメント改善に大きな効果を持ったのは、ここ数日流れていた、米中協議再開の動きです。 カドロー国家経済会議NEX委員長は、米中協議に向けた閣僚による訪中の見通しに言及。 またムニューシン財務長官とライトハイザーUSTR代表が直近の電話会談でもそうでしたが、中国側から大規模な米国産農産物輸入の可能性があることも示唆されています。ムニューシン・ライトハイザー両氏は、29日に北京を訪問、通商協議を行う予定とのこと。 以下、「中国華為(ファーウェイ)の上半期売上増加」、「財政出動にどんどん道が開かれる」、「一段とトヨタに有利な環境へ」、「戦略方針~ポジション管理」等省略。

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著者:増田経済研究所 松川行雄