• 7月23日市場引け後に2019年第2四半期(4-6月期)決算報告を予定
  • 予想売上高:3億6000万ドル
  • 予想EPS:△0.22ドル

スナップチャットを運営するスナップ(NYSE:SNAP)は、本日に控える第2四半期(4-6月期)決算報告が正念場となる。昨年12月以来190%高となっている同社株価は正当化できるものなのか証明することが求められている。ユーザーエンゲージメントと売上の増加が継続可能であると示すことが鍵となりそうだ。

同社は2018年にユーザー数の減少、経営陣の一部退任、アプリデザイン変更に対する不評など惨憺たる状況に置かれていたが、現在、状況は好転している。

4月に発表された第1四半期(1-3月期)決算で、同社はトレンドが回帰している事を示した。ユーザー数の減少は止まり、売上高成長は予想を上回り、そしてスナップチャットアプリの日間利用者数(DAU)は400万人増加した。

ゲーム機能、性別変換や子供化が可能になるARフィルター等の新機能が過去数ヶ月で人気を博している。

ゴールドマン・サックスの調査レポートにおいて「アプリの改善と機能追加は、ユーザー数増加とエンゲージメント向上に寄与しており、アドテクノロジー頼りのマネタイゼーションから脱却しつつあり、コンセンサス予想を上回るだろう」と述べ、投資判断を「中立」から「買い」に格上げした上で同社の12ヶ月目標株価を13ドルから18ドルへ変更している。

ソーシャルメディアの巨人が抱える苦悩

同社の株価は昨年12月21日につけた4.99ドルから、約3倍に成長している。同社株価は年初来145%高となっておりS&P 500構成銘柄の中で抜き出ている。

Snap price chart
(画像=Investing.com)

今年の同社株価のアウトパフォーマンスにおいて財務数値の改善とユーザー数増加は間違いなく大きな役割を果たしたが、他のSNSが直面している規制当局との衝突リスクが少ないことも同社にとって大きなアドバンテージとなっている。

同アプリは閲覧者が明確で、不正利用の可能性が低いことから、フェイスブック(NASDAQ:FB)やアルファベットのグーグル(NASDAQ:GOOGL)等の一部の政治家に目の敵にされているSNSよりも、グローバル規模での規制変更に左右されないポジションにある。

驚異的な株価の回復ではあるものの、2017年のIPO時に同社株に投資した者からすれば、損失分が回復しつつあるだけに過ぎない。ベンチマークであるS&P 500は、同期間内に25%高となっている。

総括

スナップは引き続きボラティリティが高く、エンゲージメント記録の不安定性、漸増するコスト、経営陣の入れ替わりの激しさ等を考慮すると、長期投資には不適切である。フェイスブックが所有するインスタグラムは絶えずスナップの存在を脅かしており、その脅威は終わりそうにもない。このような不確実性に基づき、リスク回避的な投資家が同社株を購入することは勧められない。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル