「銀行口座」の中で、多くの人になじみ深いのは普通預金でしょう。しかし、銀行口座には他にも定期預金や貯蓄預金などがあり、預金種別によって手数料や金利が異なります。さらには積立や投資といった商品もあり、違いが分からず銀行口座を使いこなせていない人もいるかもしれません。ここでは、貯金を始めたい人におすすめの「銀行口座の使い方」を紹介します。

主な銀行の預金口座の種類と特徴

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(画像=PIXTA)

お金の出し入れが自由な「普通預金」

普通預金は、銀行取引ベースの口座です。具体的な使い方としては、いつでも好きなタイミングで自由に預け入れや払い戻しができるだけでなく、家賃や公共料金の自動引き落とし口座、給与の受取口座などに指定できます。

手形や小切手を使うなら「当座預金」

当座預金はあまり聞きなれない人も多いかもしれません。それは、主に手形や小切手の支払いに使われる預金だからです。また、当座預金には利息が一切付きません。他に、万が一銀行が破綻しても預金保険制度によって預金額のすべてが保護されるなどの特徴があります。

「預金保険制度」とは、金融庁が定める制度で、金融機関が破綻した場合に預金者を保護するためのものです。当座預金以外にも、利息のつかない普通預金は預金の全額が保護されます。預金種類によっては、元本および利息に対して保護の上限額が定められている場合があるので、預金額が高額の場合は全額保護される口座に移しておくと安心です。

金利が高く付きやすい「定期預金」

定期預金は、預け入れから一定期間、お金を引き出せない預金口座です。満期を迎えるまでお金を引き出せない代わりに、普通預金よりも金利が高くなります。そのため、すぐに使う予定のないお金は普通預金よりも定期預金に預けたほうが少しお得になります。

預け入れ期間は1ヵ月、1年、3年など選べることが多いですが、途中で出金する場合は「解約」となります。満期を待たずに解約すると利息が減ってしまうことが注意点です。

貯めるだけの目的なら「貯蓄預金」

貯蓄預金のイメージとしては、普通預金と定期預金の中間といったところでしょうか。1円単位から預け入れが可能で、残高が一定額以上あると普通預金より金利が高くなることが多くなります。さらに、定期預金のように一定期間出し入れができないということもありません。

「それなら普段から普通預金より貯蓄預金を使ったほうがいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、残念ながら貯蓄預金は、普通預金のように給与の受取や公共料金の自動引き落とし指定などができません。つまり、日常的な運用ではなく、あくまで一定額以上を貯蓄しておくことが目的の口座といえます。

総合口座ってどうやって使うの?

総合口座とは、その名のとおり多種類の預金を一元的に管理できる口座です。普通預金や定期預金だけでなく、国債などの公共債での運用、それらを担保にした自動融資などが可能です。

使い方としては、日頃の普段使い用には普通預金から自由に預け入れや引き出しをします。毎月の貯蓄額分はまとめて定期預金に移すことで金利を高めに付けたり、毎月入金される給与から定期預金へ自動積立をしたりすることも可能です。

万が一、残高不足で引き落とし額が足りない時や急な出費を要するときは、定期預金の残高や国債を担保にして、一時的に自動融資してくれる機能で補填できます。融通が効きやすく、資金運用しやすいのが総合口座のメリットです。

貯金におすすめの銀行口座活用方法

それでは、前述の口座をどのように使い分けていくのがよいのか、自分に合った方法を考えてみましょう。

普通預金でコツコツと

普段から利用している身近な普通預金。ATM手数料や他行振込手数料を無料にできる金融機関などもあり、入出金が頻繁にあっても、手数料を上手に節約することで貯金しやすくなります。いくつもの口座を管理するのが苦手だという人はシンプルで管理しやすい方法です。

自動積立がおすすめ

「残高があればあるだけ使ってしまう……」という人は、普通預金だけで貯金するのは至難の業。そんなときは自動積立による「先取り貯金」がおすすめです。

先取り貯金とは、収入が入った時点で、あらかじめ貯金額分を別の口座にうつしてしまうという方法。「収入-貯金額=使ってもいいお金」という考え方で、生活に支障がない程度の無理のない金額を貯金にまわすことが継続のコツです。

「生活口座にあるお金を全部使い切っても大丈夫!」という満足感と安心感から、精神的な負担も減ります。給与のうち一定額を毎月自動で積み立てて定期預金にしてくれるだけでなく、一部のお金を引き出せるタイプもあるので、ぜひ活用してみましょう。

金利重視なら定期預金

前述のように、定期預金は普通預金よりも金利が高い傾向にあり、例えば同じ100万円を預けていても付く利息が異なります。高額であればあるほどその差は大きいですが、一定期間お金を引き出せないといった定期預金ならではのデメリットもあるため注意が必要です。

心配な人は、1週間や2週間といった短期の定期預金から始めてみることも一つです。また、イオン銀行のように、一定条件を満たせば定期預金よりも普通預金のほうが高金利になるケースもあるので、一概に定期預金がお得というわけではありません。

ネット銀行のメリットとデメリット

よりスマートに貯金するなら、ネット銀行がおすすめです。ネット銀行は、スマホやパソコンだけで口座開設から振込、資金移動、投資まであらゆる金融取引がサイト上で手軽に完結できるメリットがあります。

ただし、ネット銀行の場合は、いざというときに相談しにくい、セキュリティが心配などの声があることも事実です。大切なお金を預けるからには、心配なことがある場合は事前にきちんと確認しておきましょう。

銀行口座の特徴を知って上手に運用しよう

口座別の特徴を知ってみると、自分に合ったお金の管理方法を見つけやすく、無理なく貯金を楽しめるでしょう。銀行口座をつかった貯金のコツは、いかに情報を集めるかが重要です。例えば、ATMの手数料が無料になる時間帯や、利息の付き方など、ささいなことでも貯金額を増減させるポイントになります。

文・木村茉衣(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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