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今週の総括

★米利下げへの失望に加え、米国の対中関税第4弾でデジャブ感あるリスクオフモードへ

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今週の日経平均は、米国発の円高・金利安・株高の流れを受けて大幅に下落、前週末比570円安で引けた。

31日夜発表予定の米FOMC結果と決算発表本格化を控え、週前半は様子見モードから小動きに留まった。 米FOMCが利下げに踏み切ったが、事前想定通りとの見方から為替レートと米長期金利の反応は小さかったものの、次回以降の追加利下げへの期待が後退してNYダウは下落した。さらに米大統領が対中追加関税の9月発動を表明したことで、円高、米長期金利安、米株安の典型的なリスクオフモードとなり、2日の日経平均も大きく下落した。発表が本格化した4~6月期決算も、今週は自動車を中心に大幅下振れや下方修正が目立っており、市場心理にマイナス方向に働いた印象がある。

業種別にみると、医薬品と電力・ガス以外はすべて下落となった。特に鉄・非鉄、海運、機械、自動車、化学、資源株の下落幅が大きく、建設、銀行、商社なども平均以上の下落となった。また、東証グロース-1.8%、同バリュー-3.1%と、下落局面でもグロース優位が続いている。

来週以降の見通し

★当面は弱含みの展開か

日経平均想定レンジ 20,500~21,500円

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来週の日経平均は、株価反転への材料が見出しにくく、ジリ貧の展開が続く可能性がありそうだ。

米国の利上げ・利下げ動向と、米中通商摩擦に関する発言・アクションにより、株価が一気に動いたことは、これまでに何回もあった。しかも、市場心理全体がプラスまたはマイナスに振れて、株価と為替レート、日米欧の長期金利、さらには原油価格・金価格などが連動して動くことが多かった。世界経済や企業業績への実際の影響よりも市場心理の揺れ動きという側面が強いのが特徴であろう。すでに8月であり、企業も政治も夏休み入りする時期である。次の動きは9月以降か。それまでは材料難でジリ貧の可能性もあろう。

その中で、4~6月期決算発表が続いている。2日引け前までの発表社数は1千社強であり、2日引け後から8月半ばまでに、残り約2千社の発表があることから、まだ結論めいたことは言えない。前回までの決算では、半導体・スマホ、中国関連の減速、国内では人手不足・人件費上昇が目立っていた。今回は、半導体・電子部品関連は企業により強弱があり、堅調な企業も見られた一方、自動車関連の減速が前回より目立っている印象がある。一方で、5G関連がいよいよ来たとも感じる。全体としては世界経済減速とともに業績は下落基調に見えるが、個別の企業・製品分野ごとには明暗がありそうだ。

コラム:徒然なるままに

最近、冷蔵庫と洗濯機を買い替えた。買ってから12年が経過し、音や機能面など、「もう潮時かな」となってきたためである。一般に、白物家電の寿命は10年と言われる。技術がいかに進歩しても、特に水を使用する器具の寿命はなかなか延ばせないのだろうなと想像する。

経産省は09年に長期使用製品安全点検制度を制定、特に経年劣化が事故につながりやすい9品目を指定して、メーカーの点検を義務化している。具体的には、石油の給湯器、ふろ釜、ファンヒータ、ガスでは屋内式の湯沸器とふろ釜、電気では浴室乾燥機とビルトイン食洗機。これらは特に危険が高いから点検を制度化したのであって、これ以外は安全という訳ではなく、経年劣化で事故リスクがあるものとして、扇風機、換気扇、エアコン、ブラウン管テレビ、洗濯機もリストアップされている。

冷蔵庫などは、経年劣化しても「危険」ではないから経産省のリストには載っていないが、寿命のある家電であるのは間違いないだろう。その他、意外なところでは、風呂と台所に床暖房もセットの共通給湯システムも10年ぐらいで交換時期となるらしい。ガス器具ではなく、リモコンが寿命を迎えてしまうそうだ。あとは天井ビルトイン式のエアコンは交換するとなると膨大な取り付けコストがかかるらしい。知り合いは、交換をあきらめて放置し、壁取り付け式を別途設置したそうだ。

我が家の冷蔵庫と洗濯機だが、12年前と配送の段取りが違っていた。家電量販店で購入したのだが、まず搬入下見の日を予約し、下見の後に、改めて配送日を予約するルールになっていた。来たのは2度とも同じ運送会社の人たち。2度手間に思えるが、年々大型化しているからだろう。おそらく、届けに行ったら入らなかった、途中の通路が通れなかった、という事例が続出して、この段取りになったのだろう。12年前と同じサイズを選んだから行けるはずと説明しても、下見してからと頑なだった。

ちなみに我が家はコンロと食洗器も「ご臨終」を迎えている。コンロの代わりに、小型ホットプレートが大活躍している。数千円の品物だが、使用不可の材質のナベだと、自動検知してスイッチが入らずにアラームがなる優れものである。揚げ物もできるし、意外に使えるので、コンロ買い替えムードが一旦収束しているような気がする。

田村晋一,松井証券
松井証券ストラテジスト 田村 晋一(たむら しんいち)
京都大学経済学部を卒業後、太陽神戸三井銀行(現三井住友銀行)に入行。米国MBA 留学、外資系大手コンサルティング会社勤務等を経て、UBS 証券、ドイツ証券、バークレイズ証券にて銀行セクター担当アナリストとして豊富な経験を積み重ねる。

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